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糖尿病・よもやま話

-第8回 糖尿病は、老化を進める?

高血糖は、皮膚に悪影響を及ぼす

糖尿病は老化を進めると言われていますが、糖尿病の人は非糖尿病の人に比べて15年は老化が早いという説もあります。今回は、糖尿病と皮膚の老化についてお話したいと思います。

糖尿病は、血液中のブドウ糖が正常より多くなる病気です。ブドウ糖は体を動かす大事なエネルギー源ですが、摂取したカロリーよりも消費量が少なかった場合、その余ったブドウ糖は体の中で脂肪に変えられ蓄えられます。また、脂肪に変わるだけでなく余ったブドウ糖は血管を通って全身をまわり、さまざまな部位でたんぱく質と結合します。

この「ブドウ糖とたんぱく質との結合」を「糖化(glycation)」と呼びます。たんぱく質は、皮膚・筋肉・骨・毛髪……など、体を構成する物質です。ですから糖化によって、たんぱく質の本来の作用が阻害されてしまうことで、体に悪影響を及ぼすのです。

例えば、皮膚病変。皮膚病変は、大きくふたつに分けて、直接的に影響するものと間接的に影響するものがあります。

直接的なものは、うなじから肩にかけて炎症が原因で腫れ上がる糖尿病浮腫性硬化症や、足などに水ぶくれができる糖尿病性水泡(悪化すると糖尿病性壊疽に)、それから手のひらや足の裏などの皮膚が黄色調になる柑皮症などが挙げられます。

間接的なものは皮膚感染症が代表的で、わかりやすい例で言うと水虫もこれにあたります。
いずれも血糖コントロール不良の場合に出現する難治性のものですから、早期に皮膚科を受診して確実な治療と診断を受けることが大切です。

ただし、皮膚科での治療はほとんどがその症状に対するもの。ですから糖尿病の人の場合は、血糖コントロール良・不良がこれらの皮膚病変の改善に影響するということを覚えておいてください。

繰り返しになりますが、増えて余ったブドウ糖が血管を通って全身をまわり、これが細小血管障害を引き起こします。
細小血管障害と言えば、糖尿病3大合併症と呼ばれる網膜症・腎症・神経障害のことです。これらは、血管内皮細胞の増生(糖たんぱくが関与して、既存の血管から分枝伸長してできる脆い血管)や基底膜(主にコラーゲン線維で構成される血管の外包膜)の皮厚が原因となって併発する合併症です。

また、高血糖状態がつづくことで細い血管が傷んで血流が悪化して起きる皮膚細小血管障害は、糖化反応生成物(AGE : advanced glycation end product)と呼ばれる物質が皮膚組織へ結合して蓄積されていくことが根底にあるのです。

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