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要注意!糖尿病予備軍

-第2回 耐糖能異常になりやすい人

耐糖能異常になりやすい人、なりにくい人

前回は耐糖能異常に関しておおまかに触れてみました。今回は耐糖能異常にならないためにも、どういう人が耐糖能異常になりやすいかを見てみましょう。

日本での耐糖能異常者の割合が年々増えているのは、テレビや新聞などでもよく取り上げられているので皆さんご存知だと思います。では、どのくらいの割合かはご存知でしょうか。

久山町研究という、福岡県糟屋郡久山町において脳卒中をはじめとする心血管病とその危険因子の疫学調査が長年にわたり行われています。2002年の検査では、経口75gブドウ糖負荷試験を受けた40~79歳の対象者2,697名を分類すると、糖尿病は男性22.8%、女性13.1%、耐糖能異常は男性36.2%、27.8%でした。つまり、男性の6割、女性の4割に何らかの耐糖能異常が存在するということです。

では、耐糖能異常になりやすい人とはどういう人でしょうか?
それは、基本的には2型糖尿病になりやすい人と同じと考えていいと思います。

糖尿病について、少し振り返ってみましょう。1型糖尿病や2型糖尿病になる原因は色々考えられていますが、多くの因子が複数に絡み合っています。同じような肥満でも、糖尿病になる人とならない人がいます。

1型糖尿病の場合、家族からの遺伝はほとんどありません。その人の持つ、糖尿病にかかりやすい遺伝子が何かのきっかけで糖尿病を発症させるようです。

それとは逆に2型糖尿病の場合は、家族に糖尿病のいる人は発症リスクが高いといわれています。2型糖尿病に関係する遺伝子は16以上報告されていて、ひとつひとつでの発症リスクは低いのですが、これらが組み合わされることによって発症のリスクが高まります。当然その遺伝子の数が多いほどリスクは高まり、2~3倍になるといわれています。

肥満でも糖尿病にならない人というのは、この糖尿病になりやすい遺伝子をあまり持たない人で、逆に肥満ではなくても糖尿病になる人は糖尿病になりやすい遺伝子を持っていたということです。

こうした遺伝子による発症リスクの高さに加えて、運動不足や肥満、加齢が発症の引き金になっているようです。

また、遺伝というと家族にばかり目がいきがちですが、もっと広義で見てみると、民族的な違いもあります。1型糖尿病は白人に多いと言われ、北欧のある国では発症率が年10万人あたり40~50人、それに対して日本では1~2人と低いのです。

逆に日本人は2型糖尿病になりやすい民族と言われています。一般に、糖尿病といわれてイメージするのは2型糖尿病だと思いますが、2型糖尿病は、インスリンは出ていてもその量が十分でないことやインスリンの効きが悪くなることが原因で起こります。

日本人の場合、90%以上がこのタイプで、他民族と比べてインスリン分泌の予備能が少ないといわれ、こうした遺伝的背景に加えて現代社会の生活環境(運動不足や美食)が肥満や2型糖尿病に結びつくのでしょう。

また、インスリンの効きが悪くなる原因の肥満・運動不足・ストレス、これらはいずれも中年以降に多く見られます。そのため2型糖尿病も中年以降に発症することが多いのですが、最近では子供であっても肥満・運動不足・ストレスが増えているため、子供の2型糖尿病も増えてきています。

 

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