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薬の飲み合わせ(テトラサイクリンと牛乳)

薬の飲み合わせ(テトラサイクリンと牛乳)
相談者: なかめ(40歳・女性) 2013.02.21
糖尿病の直接の質問ではないのですが、
糖尿病の治療薬-第17回 糖尿病治療薬の飲み合わせ-その3
上記のページの糖尿病の薬の飲み合わせその3で、本文中に「テトラサイクリンは牛乳と飲むとカルシウムの影響で吸収が阻害される」といったことが書かれていますが、下の図表の中では牛乳の脂肪によって薬の作用も副作用も増強されるといったことが書かれています。
テトラサイクリンの作用は牛乳によって、抑制されるのか増強されるのか教えていただけませんか。
テトラサイクリンやニューキノロン系抗生剤は、
牛乳と一緒に服用すると吸収が悪くなります。
御指摘ありがとうございました。
テトラサイクリンやニューキノロン系抗生剤はカルシウムイオンと結合するとキレートと呼ばれる非常に溶けにくい状態になるので牛乳と一緒に服用すると吸収が悪くなると考えられております。

したがって本文中の『牛乳と一緒に飲むと、カルシウムと反応して薬の成分が吸収されず、効果が現れにくくなるのが、細菌による感染症などで処方されるテトラサイクリン系の抗生物質やニューキノロン系の抗菌剤です。牛乳だけでなくカルシウムの多い乳製品には注意が必要です。』は正しいと考えられます。一方、図表中にある、『テトラサイクリン系の抗生物質やニューキノロン系の抗生剤(細菌感染治療薬)を牛乳で飲むと、牛乳の脂肪分の影響で薬の作用が強く現れ、副作用が出やすくなる』ということは報告されておらず誤記として訂正させていただきたいと思います。


(編集部注:当該コラムページでも、訂正した図表に差し替えました。)


ついでにお話しますと、テトラサイクリンやニューキノロン系抗生剤は鉄やアルミニウムなどカルシウム以外の多価金属イオンとも結合してキレートを作る性質がありますので、牛乳以外にも注意する必要があります。
少し古い話ですが、1985年のLeydenらの報告によると、テトラサイクリン服用後の血中濃度は、水だけで服用する場合に比べ、牛乳と一緒に服用すると58%、食後に服用すると42%、鉄とともに服用すると77%減少したとのことです。1977年のWilliamsらの報告では、テトラサイクリンを、普通食、高脂肪食、高タンパク食とともに服用すると、高タンパク食と一緒に服用した場合に最も血中濃度が低下したとされ、高タンパク食に含まれる肉にカルシウムイオンや鉄イオンなどテトラサイクリンが結合しやすい多価金属イオンが多く含まれているのが理由であろうと考察されています。

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