この人に聞きました
- 37年間ウォーキングの指導を続けていますが、「歩幅が大きいほうがカロリー消費も大きくなる」、「弾むように歩くほうが若々しい」といった気持ちから、間違った歩き方をしている方が少なくありません。加齢により筋力やバランス能力が落ち、柔軟性の衰えから可動域が狭くなるのは当然のこと。そんな自分の体と向き合い、負担の少ない歩き方を身に付けましょう。
- 今回のイベントで使用した「セーフティウォークナビ」は、3Dセンサで歩行状態を評価・分析する歩行時衝撃分析システムです。人体のイラストに数字や色で結果を表示した診断票を見れば、歩幅の大きさ、着地時のブレーキの強さ、骨盤のブレ、上下動の大きさetc.といった自分の歩き方のクセが一目瞭然です。
歩行寿命を延ばそう!モデル歩きやダイエットウォークにも警戒信号!
最近の調査結果によると、日本人40歳以上の3人に2人が、変形性腰椎症や変形性膝関節症、骨粗鬆症などを患い、膝や腰などに弱点を抱えているというデータが出ました。
平均寿命が50歳、60歳だった時代なら、筋力や柔軟性が衰える頃に天国に行くことができました。ところが今や人生80年以上。20歳のおよそ3分の1にまで低下した80歳の体でも歩き続けなければ、「健康寿命」を延ばすことはできないのです。しかも、トイレが和式から洋式に、畳に座る生活から椅子に腰を下ろす生活に、階段からエレベーターやエスカレーターに……と、近代的で便利な世の中になるほど、日常生活における運動量もじわじわと目減りし、日本人の多くは「運動不足病」に陥っているのです。
健康運動指導士の土井龍雄さんは、「三途の川を自分の足で歩いて渡りましょう」と呼びかけ、長く続けられる“負担の少ない歩き方”を指導しました。モデルのように脚をクロスする歩き方や、カロリー消費量だけを重視した大股のダイエットウォークが、いかに体に負担をかけるかについても解説。
セミナー後半には、膝に負担をかけずに太ももの筋肉を鍛える体操や、つま先が上がるようになるストレッチなどを実演し、「筋力や血管は何歳になっても変えられますよ」と、参加者にエールを送りました。
- 歩行寿命を延ばすためには、柔軟性と筋力の維持向上が欠かせません。セミナーでは家庭でも出来る簡単なストレッチや筋トレの指導がありました。
- 約半年の開発期間を経て完成した「セーフティウォークナビ」。小さな測定器を腰に巻き、10メートルほど歩くだけで、数分後には詳しい検査結果がプリントアウトされます。
まるで、氷の上を滑るような滑らかな動きが理想的
歩き方診断では、3Dセンサを使って上下・左右・前方向の最大加速度の平均値を算出し、現在の歩き方が膝や腰にどのように影響しているのかを評価します。たとえば、体が上下にぴょんと弾むよう歩き方は元気そうに見えますが、上下の加速度が大きくなる分だけ着地時の衝撃も大きくなり、体にとっては大きな負担になります。「平均的な歩き方でも、体重の1.5倍くらいの重力がかかる。それが、上下動の大きい歩き方になると、体重の2倍もの重力がかかることもあるんですよ」(土井さん)。
体に負担の少ない「セーフティウォーキング」とは、上下動の小さい滑らかな歩き方。そのためには、自分の筋力や柔軟性に応じた無理のない歩幅を知り、骨盤・背骨・頭をまっすぐに保ち、上半身をしっかりと下半身に載せるよう意識することが大切なのです。
付け焼刃の血糖コントロールが通用しない「HbA1c」
歩き方診断と並行して、糖尿病検査の一種であるHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)測定を実施しました。
血液中を流れている赤血球にはヘモグロビン(Hb)という物質が含まれていて、体内で酸素や二酸化炭素を運搬しています。その一部分が同じ様に血液中を流れている糖と徐々に結合していき、HbA1cになります。そのため、血糖と結合しているHbA1cを測定することで、約1~2カ月前の血糖のコントロール状態がわかるのです。
採血時点の瞬間的な血糖の状態しかわからない血糖値検査に比べて、食事療法や運動療法などで持続的に血糖をコントロールされていたかどうかを判断するのに適した検査なので、今回のように採血前に昼食をとっても、結果に影響を及ぼす心配がありません。
- 指先を専用の器具で自己採血。数分で1~2ヵ月の血糖コントロールの状況を示すHbA1cの値がわかります。言い方を変えれば、採血前の数日間だけ食事療法や運動療法などをがんばったとしても、HbA1c値には反映されません。
歩き方に対する概念が変わって「目からウロコ」
参加者は、「セーフティウォークナビ」がはじき出した診断結果を手に一喜一憂。中には、「そういえば、水泳と一緒にスクワットをやっていた頃は、足腰の調子が今より良かったわ」と、土井さんのアドバイスを裏付けるような体験を思い出す人も。
多くの人が「良かれと思って続けていた歩き方が、体に負担を与えていたなんて……」と驚きつつも、セミナーで学んだコツを忘れないうちに試してみたいと、ワクワクした様子でした。
- 糖尿気味なので、ウォーキングはもちろん、血液検査にも治験にも興味があり、とても有意義な時間でした。還暦にして美しい体つきを保っている土井先生がお話しされると説得力が違う(笑)。これからは歩幅を狭くして歩きます。
- 1回目の測定では、「大きな歩幅の方がいいんだ」という思い込みがあって、不自然なウォーキングをしてしまいました。セミナーを受け、ストレッチやツボ押しもして臨んだ2回目は点数が2倍に!これからは、リラックスして歩こうと思います。
イベント概要
日時 | : | 2012年6月28日(木)11:30~14:00 ※昼食付 |
---|---|---|
場所 | : | 緑地スポーツクラブ(株)カリスタ |
参加者 | : | 40~80代の男女 40名 |
プログラム | : | ①(個別)歩き方診断 ②(個別)糖尿病チェック(HbA1c測定)※20名 ③昼食(個別の測定が終わり次第) ④セミナー ⑤(個別)糖尿病チェック(HbA1c測定)※20名 ⑥インクロムからのお知らせ ⑦(個別)歩き方診断*希望者のみ |
スポーツクラブ情報
千里山にオープンして15年。地域に根ざす「とことん親身」なスポーツクラブです。
インストラクターと会員様はもちろん、会員様同士もとっても仲良し。ジムトレーニング、スタジオレッスン、プールなど豊富なプログラムを準備し、お一人おひとりの体力や目標に合わせてプログラムをつくります。健康増進やシェイプアップのためだけでなく、お友達づくりやリフレッシュの場としてもご活用ください。
施設名 | : | 緑地スポーツクラブ(株)カリスタ |
---|---|---|
住所 | : | 大阪府吹田市千里山西4-37-5 |
TEL | : | 06-6330-5000 |
営業時間 | : | [月~木]10:00~23:00 [土]10:00~22:00[日・祝]10:00~20:00 |
アクセス | : | 北大阪急行「緑地公園」駅より徒歩約3分 |
定休日 | : | 金曜日 |
サービス | : | 千里山地域を巡回する無料バス(たのしいバス)有り |
URL | : | http://www.kalista.co.jp/ |