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Come On! 糖尿病教室

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-第6回 心筋梗塞・狭心症のリスク

糖尿病だと、心筋梗塞などの発症や死亡率が高い

皆さんこんにちは(^O^)

糖尿病療養指導士(CDEJ)の小宮山です。
前回は、血糖コントロールの悪化を来たす原因のひとつである、『糖尿病とガン』についてのお話をしました。6回目の今回は3大合併症と同様に糖尿病患者さんに気をつけていただきたい、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患についてのお話です。
 

 

糖尿病と血管の病気について

糖尿病といえば、血中に糖が多いという病態ですが、単に糖が多いだけではないのです。
この余分な糖は、血管も含めたいろいろなところのたんぱく質を変化させてしまいます。

例えば、3大合併症。当コラムの第3回に「しめじ」で覚えると紹介した「神経障害」「網膜症」「腎症」ですが、これらはみな、細い血管が障害されることにより発症するため、細小血管障害と呼ばれています。

一方で脳梗塞や心筋梗塞などの脳血管や冠動脈疾患は、大きな血管に粥状硬化が起こり発症するため、大血管障害と呼ばれています。3大合併症とともに、この大血管障害も生命予後に大きく関わる恐ろしい合併症です。
 

食後高血糖の人は、動脈硬化リスクが高い

糖尿病のコントロール指標のひとつ「血糖」は重要ですが、同じ高血糖でも、空腹時高血糖より食後高血糖の方が、より動脈硬化を進めることがわかっています。

これは空腹時血糖が基準値内でも、ブドウ糖負荷後2時間血糖値が基準値を超えて糖代謝異常が認められる境界型糖尿病(IGT : impaired glucose tolerance)の人の心筋梗塞や脳卒中などの心血管系疾患の発症や死亡率が、非糖尿病の人と比べて明らかに高いということが国内外の疫学調査で相次いで報告されたからです。

日本では、福岡県久山町の疫学調査(久山町研究)において、IGTの人も糖尿病患者さんと同じように、心血管系疾患の発症リスクが高いことが明らかになりました。
また山形県舟形町(舟形スタディ)では、山形県舟形町の40歳以上の住民2,651名を対象に約7年間追跡し、IGTは心血管疾患死亡のリスクが高いがIFG(空腹時高血糖型の境界型糖尿病)の場合はそうならないことが明らかになりました。

さらに、ヨーロッパの疫学調査「DECODEスタディ(Diabetes Epidemiology : Collaborative analysis Of Diagnostic criteria in Europe)」や、日本人を含むアジアにおける疫学研究「DECODAスタディ(Diabetes Epidemiology : Collaborative analysis Of Diagnostic criteria in Asia)」においても、ブドウ糖負荷後2時間血糖が空腹時血糖に比べて心血管死のリスクが高いことが示されています。

 

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