この人に聞きました

本日のセミナーでは、健康づくりとヘルシーレシピについて具体的にお伝えしました。「1食500kcal」は少しの工夫で可能です。健康のためには本を読んだり話しを聞いたりするだけでなく、まずは実践することが最も重要です。この機会に、新たな健康目標を立ててみましょう。

まずは「はかる」ことから、変化につなげていきます

理想的なウェイトダウンのペースは、1ヵ月に1~2kgが目安。ウェイトコントロールを継続するためには、定期的に記録をつけることが大切。

セミナーは管理栄養士・健康運動指導士の堀越理恵子さんによる講演会からスタートしました。健康づくりのポイントは、「はかる→わかる→きづく→かわる」のサイクルが重要であると説明。ファーストステップの「はかる」について、「体重だけでなく、その中身が大切です。筋肉が多いのか、脂肪が多いのか。体重が増えても筋肉量が増えていれば問題ありません」とのこと。まず「はかる」ことで現状を知り、それが目標を立てる指針となり、継続することで「かわる」わけです。

「目標の定め方は、『具体的に・達成可能な・意欲を持って取り組める・定量化した・期日を決めて・日課にできる』の頭文字を取って、『グタイテキニ』と覚えてください」と堀越さん。例えば、1ヵ月間に体脂肪を1kg減らすためには、1日約240kcal減が目安です。「運動では1日約90分のウォーキングに相当します。それは難しいという方、食事と組み合わせてみましょう。一般的な成人の1食あたりの摂取カロリーは約700kcalです。1日3食のうち1食を500kcalにしたら、無理なく達成可能ではないでしょうか」と、具体的な方法をあげて説明しました。

低カロリーで美味しく満足感。少しの工夫でヘルシーメニューに!

ヘルシーメニューのためにも「はかる」ことは重要なキーワードになります。「手秤を覚えましょう。ごはんなどの主食は、指を閉じて両手で水をすくう形にしてください。それが適量です。メインのおかずとなる主菜は、指を閉じた片手の手のひらサイズで高さ1cm以内。サラダなどの副菜は、両手の指を広げてくっつけた大きさに山盛りが適量です」と、堀越さん。タニタの社員食堂で出されるメニューは、500~600kcal、塩分3~4g、野菜150~200gが目安です。香味野菜やうま味(ダシ)、焦げ目などの工夫で、塩分が少量でもしっかりとした味になるように工夫。油は控えるなど、調理のポイントを解説しました。さらに、満腹感・満足感が得られるよう、根菜類などのよく噛む必要がある食材を使い、柔らかくなりすぎないように煮るなど、さまざまなアイデアを説明。

「食事をしてから満腹中枢が働くのは約20分かかります。ですから、少なくとも20分以上かけてゆっくり食事をすることが『食べ過ぎ』を防ぐことにつながります」。講演会の後は、昼食時間。参加者は、ヘルシーなタンドリーチキン定食(446kcal)を楽しみました。

タニタ食堂で使用されるお茶碗には、分量の目印としてラインが入っています。各テーブルには、食事時間を計測できるようタイマーも置かれています。
ダイエットで筋肉や基礎代謝まで落ちてしまってはマイナスの影響に。体重だけではなく筋肉量や体脂肪も把握することが健康のポイントです。

体組成計では左右の腕・脚など、体の各部位の状態まで計測

「丸の内タニタ食堂」には、医療機関などで使われている最高級グレードの体組成計が常備されています。参加者は、講演会前や休憩時、昼食の後など思い思いの時間に測定していました。さらに測定値が印刷されたシートをもとに、堀越さんによる無料個別カウンセリングもありました。

この体組成計は、体重や体脂肪率だけでなく、脂肪量、除脂肪量、推定骨量、筋肉量なども測定でき、また左右の腕、脚、体幹部の筋肉・脂肪の割合までわかります。「左腕の筋肉量が少ないですね。意識して左腕を使うように心掛けるといいですよ」「左右の脚の脂肪が多いので、極力歩くようにしましょう」など、具体的なアドバイスがもらえます。セミナー時以外の通常営業でも、食事をした人は無料で測定&カウンセリングが受けられるので、今回のシートを持参すれば結果を比較してアドバイスしてもらうことも可能です。

食前・食後で左右されない血糖の状態をHbA1c測定で把握

会場の一角では、インクロムによるHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)の測定も行いました。HbA1c測定は、糖尿病検査の一種です。血液中を流れている赤血球にはヘモグロビン(Hb)という物資が含まれていて、体内で酸素や二酸化炭素を運搬しています。そのヘモグロビンが血液中に流れている糖と徐々に結合していき、HbA1cになります。

高血糖、つまり余っている糖が多いほどHbA1cも多くなるわけです。しかも、測定時の1~2ヶ月前の血糖の状態がわかるので、空腹時と食後で大きく数値が変動する血糖値検査より安定した数値が測れます。例えば、採血前の数日間だけ食事療法や運動療法に力を注いだとしても、HbA1cの数値には反映されません。そのため、今回のセミナーのように採血前に昼食をとっても結果に影響を及ぼすことはありません。

会場に設置されたHbA1c測定コーナー。自分で指先に専用針を刺して自己採血します。待つことわずか5分でHbA1cの数値がわかります。
今回のセミナーで知り合ったという3人は、すっかり意気投合したご様子。「主人の栄養管理について勉強したかった」「血圧が高めなので、塩分加減を知りたかった」と、参加の動機もそれぞれですが、昼食に関しては「そっけないメニューが出るかと思ったけど、想像以上に味がしっかりしていて量も充分でした。美味しかったです。配られたレシピを参考に家でも作ってみたい」と、満足されたようです。セミナーの最後には治験についての説明もあり、「治験のことを初めて知りました」と興味を持たれたそうです。

日常で役立つ情報が得られ、自分の体の内部も知ることができました

「汁まで飲み干す『しょうゆラーメン』と、『メロンパンと缶コーヒー』、『焼き肉定食』のうち、一番カロリーが少ないのはどれでしょう」と、外食時に役立つアドバイスもあり、参加者は熱心にメモをとりながら聞き入っていました。ちなみに前述の正解は、最もカロリーが低いのが「しょうゆラーメン」で440kcal、次に「メロンパンと缶コーヒー」の555kcal、そして「焼き肉定食」700kcalと続きます。「しょうゆラーメン」には、野菜や海草類をプラスすることでバランスがよくなるとのこと。

体組成計による測定にも、参加者は一喜一憂。「左右バランスまで細かく数値が出るので、何に気をつけたらいいかよくわかる」と、「はかる」ことの大切さを実感した様子でした。

イベント概要

日時:2013年3月30日(土)11:00~14:30
場所:丸の内タニタ食堂
参加者:関東在住の高血圧症の方とそのご家族:26名
プログラム:①健康セミナー
②昼食(タンドリーチキン定食:466kcal※ごはん100gのとき ③(個別)プロフェッショナル仕様の体組成計による測定(希望者)
④(個別)HbA1cの自己測定(希望者)
⑤インクロムからのお知らせ

イベント会場情報

『体脂肪計タニタの社員食堂』の本が好評をいただき、「食べてみたい」という声にお応えして2012年1月に「丸の内タニタ食堂」がオープンしました。メニューが多いと好物ばかりを選びがちになるので、あえて日替わり定食と週替わり定食の2種類のみのメニューにしています。

店名:丸の内タニタ食堂
住所:東京都千代田区丸の内3-1-1 丸ノ内国際ビルヂング B1F
電話番号:03-6273-4630
営業時間:11:00~15:00
定休日:土曜、日曜、祝祭日
席数:69席
アクセス:地下鉄有楽町駅徒歩1分/地下鉄日比谷駅徒歩1分
JR有楽町駅徒歩3分
URL:http://www.tanita.co.jp/company/shokudo/index.php