Come On! 糖尿病教室
-第9回 自律神経系の障害
下痢が続いて、めまい(立ちくらみ)を訴える:Fさん(75歳・女性)の場合
Fさんは、糖尿病と脂質異常症で自宅近所のかかりつけ医に受診していました。半年ほど前から食欲不振、また腹痛はないのに下痢が続いていましたが、「年のせいかな?」とあまり気にしていませんでした。
ところが最近になって、めまい(立ちくらみ)がひどく、かかりつけ医に相談してみたところ、一度大きな病院で糖尿病の専門医に診てもらいましょうということで、紹介されてきました。
CDEJ: Fさん、おはようございます。今日はめまいがひどいということなので、頸動脈エコー検査と少し長めの心電図検査をしますね。
Fさん: さっき診察で、念のため頭に栄養を運ぶ血管が細くなっていないかと、神経の検査をするって先生がおっしゃっていましたが、神経の検査というのが、その長めの心電図なんですか?
CDEJ: そうなんです。1分間心電図をとって、その後1分間は深呼吸をしてもらいながら心電図をとります。体の中で、自律神経というのがありまして、自律神経が心臓の脈拍の調整や血圧の調整などをしています。例えば、運動すると脈拍が速くなったり、血圧が上がったりしますが、寝ている時には、脈拍はゆっくりで血圧も低く保たれています。糖尿病で神経障害が進むと、この調整機能がうまくいかなくなって、脈拍や血圧を上げないといけないときも、安静時と変わらないままになってしまうことがあるんですよ。
Fさん: そうなんですか?私はてっきり糖尿病のせいじゃなくて、年だからごはんがおいしくなかったり、フラフラするんだって思ってました。
CDEJ: 胃や腸も、この自律神経が調整していますので、下痢になったり胃の調子が悪くなる場合もあるんですよ。
Fさん: 糖尿病ってのは、いろんな病気の原因になるんですねぇ。
CDEJ: では、先に心電図の検査をしてから、頸動脈エコーをしましょう。