糖尿病の治療薬
-第22回 糖尿病治療薬の飲み合わせ-その8
一般的な食品と糖尿病治療薬との飲み合わせ
今回は、飲み合わせシリーズ最終回として、よく知られている身近な食品に着目したいと思います。昨今の健康志向で、テレビや雑誌などで「〇〇にいい野菜」「〇〇予防にはこれ!」とさまざまな食品が取り上げられていますね。
そんな食品の中で、糖尿病治療薬と一緒に摂取することで影響を及ぼす可能性があると考えられるものを見ていきたいと思います。
オリーブの実からとれるオリーブ油は、一価不飽和脂肪酸である「オレイン酸」が多く含まれています。このオレイン酸が血糖値をコントロールするインスリンの働きを助け、血糖値を下げる作用があると考えられています。 また、オリーブの葉に含まれているポリフェノールの一種である「オレウロペイン」には、強い抗酸化作用(たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化するのを防ぐ作用)がありますが、そのほかに血糖値を下げる作用があることが最近の研究で分かってきたようです。 さらに、空腹時にインスリンが多すぎると、めまいや立ちくらみを起こす低血糖の原因になりますが、オレウロペインには、空腹時インスリン値を正常に戻す働きがあることも確認されているようです。 |
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アジやイワシ、サンマなどの青魚に含まれる「エイコサペンタエン酸(EPA)」や「ドコサヘキサエン酸(DHA)」などの不飽和脂肪酸は「オメガ3脂肪酸」と総称されています。これらを摂取することで、2型糖尿病のリスクを低下させることが複数の臨床試験データの解析結果にて確認されました。 また、EPAやDHAは、「アディポネクチン(善玉アディポサイトカイン)」というホルモンを増やします。これにより、筋肉や肝臓でのブドウ糖の取り込みを促進させて、血糖値を下げます。 |
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