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糖尿病・よもやま話

-第4回 糖尿病患者は、年々増加している?

生活習慣なら変えられる

では、この状態を改善することはできないものでしょうか?

遺伝的なインスリン分泌能力も年齢による変化も変えることはできません。けれども、生活習慣を見直して簡単なことから実行することで、是正することができます。

例えば、食生活においては、過食・高カロリー食をやめて適正なカロリーにすること、脂肪分の多いものを避けてバランスの良い食事をすることです。昔から言われているように「腹八分」に抑えることが重要です。

また、ストレスの問題も大変重要です。ストレスと一口で言っても、いろいろな要素がありますので、中には解決が困難なものもあるでしょう。

しかし、例えば睡眠不足やそれによる過労などは、比較的簡単に解消できるのではないでしょうか。深夜族が増えた現代、慢性的に睡眠時間が短いという人も多いでしょう。眠くならないからと、なんとなく遅くまで起きているという人は、規則正しい生活を送ることを心がけてみましょう。

日中に散歩などの適度な運動を行うことで、適度な疲労感が生まれて十分な睡眠を誘いますので、運動不足と睡眠不足解消の一石二鳥の効果が期待できます。薬物療法に頼らなくても、糖尿病の予防と増悪をとり除くことができるのです。

生活習慣病という概念が提唱され、一般的なものとして認知されるようになりました。糖尿病も生活習慣を改善することで、発症・進展を防止することが可能です。確かに糖尿病患者は年々増加していますが、糖尿病は生活習慣の改善によって患者数を減少させることのできる疾患です。

糖尿病の方はもちろん、予備軍と指摘されている方も、まずはご自身の食生活や睡眠や適度な運動をはじめとした生活習慣を見直して、簡単なものからでも改善に取り組んでみませんか。
 

著者プロフィール:関谷 正志(医師)
1980年関西医学大学 医学部卒業。1998年より株式会社互恵会 大阪回生病院 内分泌代謝内科に勤務、2005年同 部長に就任。専門領域は内科、糖尿病。日本糖尿病学会、日本内科学会に所属。

 

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