血液から見える健康
-第9回 Cペプチド-他にもある糖尿病の検査
Cペプチド(CPR)って?
前回のコラムでは糖尿病の検査として、みなさんが血糖のコントロールに重要なホルモンとしてよくご存知の、インスリン(IRI: immunoreactive insulin)について説明しました。今回は、そのインスリンと関連のあるCペプチド(CPR:C-peptide immunoreactivity)と、その検査について詳しく見ていきます。
インスリンは、すい臓のβ細胞でつくられますが、実はこのときCペプチドという物質も一緒につくられています。
β細胞内で合成されたプロインスリン(インスリンの前駆物質)、つまりインスリンのもととなる物質が、酵素によって分解されて、インスリンとCペプチドそれぞれ1分子ずつが生成されます。ですから、インスリンとCペプチドは同じ量が作られ、同じ量が分泌されるのです。
前回のコラムで説明したように、糖尿病の検査としてインスリンの検査からいろいろなことが分かるのですが、インスリン治療を行っている糖尿病の患者さんがインスリンを検査した場合、自分の体でつくられたインスリン(内因性)だけでなく、注射したインスリン(外因性)も含めて測定されてしまいます。
そこでCペプチドを検査すれば、自分の体でつくられたインスリン(内因性)のみを推定することができるというわけなのです。