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血液から見える健康

-第24回 抗GAD抗体、抗IA-2抗体-他にもある糖尿病の検査

抗GAD抗体検査と抗IA-2抗体検査で、糖尿病の1型か2型か判定

前回は、体内に元々あるインスリンが、何らかの原因で体の免疫システムに異物とみなされてできた「インスリン抗体」とその検査について見ていきました。今回も引き続き、異物とみなされてできる抗体「抗GAD抗体」と「抗IA-2抗体」について見ていきたいと思います。
 

抗GAD抗体検査

インスリンを分泌する臓器、すい臓には、GAD(グルタミン脱炭酸酵素:Glutamic acid decarboxylase)という酵素があります。GADは、インスリン合成、すい臓のホルモン分泌などに関与しているGABA(γ-アミノ酪酸)を合成する酵素です。
インスリンと同様にGADも元々体内に存在しているものですから、本来なら体の免疫システムがGADを異物として認識することはないのですが、何らかの原因でGADを異物とみなして抗体が産生する場合があります。このGADに対して産生される抗体を「抗GAD抗体」と言います。

抗GAD抗体の検査結果は、陽性か陰性かで示されます。抗GAD抗体は、発症初期の1型糖尿病患者に高頻度に産生される抗体で、発症後1年未満の1型糖尿病患者において、陽性であることが多く、そのため抗GAD抗体の検査は、1型糖尿病と2型糖尿病の区別がつかない場合、2型糖尿病で血糖コントロールが急に悪化した場合、2型糖尿病で他の自己免疫疾患を合併した場合などに測定する意義があります。
 

抗IA-2抗体検査

抗IA-2抗体とは、すい臓に存在するIA-2(膵内分泌腫瘍関連蛋白Ⅱ:Insulinoma-associated protein-2)というタンパク質に対して産生される抗体のことです。
抗IA-2抗体も1型糖尿病患者に高頻度に産生される抗体で、1型糖尿病かどうかを判定するときに用いられる検査項目です。抗IA-2抗体の検査結果も、陽性か陰性かで示されます。

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