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血液から見える健康

-第19回 グリコアルブミン・2-他にもある糖尿病の検査

グリコアルブミンのおさらい

本コラム(第5回)で一度取り上げたグリコアルブミンですが、日本赤十字社が2009年3月15日より献血協力者全員にグリコアルブミンの検査を開始して以来、徐々に注目が高まっているようです。そこで今回は、グリコアルブミンについてもう少し詳しく見ていきたいと思います。

まずは、簡単にグリコアルブミンについて復習しておきましょう。
 

血糖コントロール状態を反映する期間の違い


糖尿病の検査項目の中で基本となるのは血糖とHbA1cです。
血糖値が採血前の食事の影響を受けるのに対し、HbA1cは採血時点の血糖値(採血前の食事)に左右されずに過去1~2ヵ月の状態を知ることができます。

HbA1cは、その半減期(物質が徐々に減り半分になる期間)が約29日という特徴があるため、採血の前の約1~2ヵ月間の血糖コントロール状態を把握することができるのです。

ではグリコアルブミンはどうかと言うと、グリコアルブミンもHbA1cと同様に採血時点の血糖値(採血前の食事)に左右されません。
HbA1cと違うのは、グリコアルブミンの半減期は約17日、把握できる血糖コントロール状態の期間は採血の前の約2週間と、HbA1cより短い(直近の)期間です。

治療方針によって把握しておきたい血糖コントロールの期間が違うため、これらの把握できる期間の違いを利用して、使い分けるわけです。

グリコアルブミンが適しているケース
●経口血糖降下薬(αグルコシダーゼ阻害薬、スルホニル尿素薬など)を初めて投与するとき
●インスリン治療を開始して間もない患者の治療効果を見るとき
●血糖降下薬の投与量変更の判断をするとき
このような場合には、直近の血糖コントロール状態を見る必要がありますので、採血の直近約2週間の血糖コントロール状態を把握できるグリコアルブミン検査が適しています。

HbA1cが適しているケース
●初診の患者でこれまでの血糖コントロール状態がわからないとき
●治療を長期継続している患者で安定した血糖コントロール状態のとき
といった場合には、長期的な血糖コントロール状態を見る必要がありますので、HbA1c検査が適しています。

 

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