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血液から見える健康

-第19回 グリコアルブミン・2-他にもある糖尿病の検査

グリコアルブミン検査でわかること

ヘモグロビン(Hb)と糖が結合したものがHbA1c、アルブミンと糖が結合したものがグリコアルブミンです。HbA1cもグリコアルブミンも、血液中を流れている糖と徐々に結合してできたもので、これらの違いは、その結合率です。
アルブミンと糖の結合率はヘモグロビンと糖の結合率の約10倍と言われています。

また、HbA1cとグリコアルブミンの基準値や血糖コントロールの目標の上限値と下限値を見ると分かるように、グリコアルブミンはHbA1cを約3倍した値となっています。つまり、同じ血糖コントロールの状況下で、グリコアルブミンはHbA1cの約3倍大きく変動すると言えます。


高血糖状態が短時間のとき、ヘモグロビンが糖と結合するのに比較すると、アルブミンの方がより糖と結合し検査数値に反映されると言えるということです。

これは何を意味するかと言うと、耐糖能異常(IGT)のように空腹時は正常な血糖値でも食後のみ高血糖が続くような状態の人の場合にグリコアルブミンが有用であるということです。
食後のみ高血糖が続く場合、短時間ゆえにHbA1cの値はそれほど上昇しないため、耐糖能異常を見逃されやすいのですが、グリコアルブミンの値は高血糖をより鋭敏に反映して上昇するためです。

実際に、空腹時血糖とHbA1cがいずれも基準値で問題ないと思っていたのに、グリコアルブミンを検査してみると基準値を超えていたため、再検査で経口ブドウ糖負荷試験を行い、実は耐糖能異常(IGT)であったということもあります。

 

検査値に影響する疾患について

本コラム第5回で検査値に影響する疾患について、「HbA1cは、出血、溶血、異常Hb、腎不全などの影響を受けますが、グリコアルブミンはこれらの影響を受けないため有用です。」と説明しましたが、実はグリコアルブミンも影響する疾患はあります。


ですから、出血、溶血、異常Hb、腎不全の場合は、これらの疾患によるHbA1cの検査値への影響を避けるためグリコアルブミンを検査し、肝硬変、ネフローゼ、甲状腺機能低下症の場合はこれらの疾患によるグリコアルブミンの検査値への影響を避けるためHbA1cを検査するのが一般的です。

 

 

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