血液から見える健康
-第9回 Cペプチド-他にもある糖尿病の検査
Cペプチド(CPR)検査でわかること
Cペプチド検査には、血中Cペプチドと尿中Cペプチド検査があります。それでは、このふたつの特徴について見ていきましょう。
血中Cペプチド検査でわかること
血中Cペプチド検査は空腹時に行う検査で、検査値によって糖尿病のタイプ、腎臓・肝臓の疾患を推定することができます。
一般的に血中Cペプチドは、インスリンと同じ量が作られ同じ量が分泌されるため、インスリンとほぼ同じように変動します。ただし、疾患によっては、Cペプチドとインスリンが異なる動きをすることがあります。
以下は、Cペプチドとインスリンの異常変動により考えられる疾患の例です。
尿中Cペプチド検査でわかること
尿中Cペプチド検査は、1日分貯めておいた尿(蓄尿)を用いてCペプチドを測定し、1日にどれだけCペプチドが排泄されたか(1日排泄量)を調べます。血中Cペプチド検査でわかるのが一時的なインスリン分泌量であるのに対して、尿中Cペプチド検査は一定期間のインスリン分泌量を調べることができます。
このように、糖尿病の検査としてインスリンに加えて、血中Cペプチドや尿中Cペプチドを検査することによって、インスリン検査の弱点を補ってより糖尿病の病態を把握することができるのです。
著者プロフィール:堀 行雄(臨床検査技師)
2000年インクロムの提携医療機関に入職して以来、臨床検査室で忙しく検体検査をする日々。年間およそ5000人分の血液を分析。