ストレスのかからない美味しい食事法
-第1回 糖尿病でも美味しい食事を楽しもう!
「美味しいものが食べられない」は誤解
血糖コントロールの2本柱は、「食事療法」と「運動療法」で、食事療法が最も重要です。
糖尿病になると、「もう美味しいものは食べられない」とがっかりされる人がいますが、糖尿病は、食べてはいけない食品はありませんので、さまざまな食品を使って、うま味や薬味も利用して、美味しい食事が食べられます。
糖尿病食は、適正なエネルギー量の中で、必要な栄養素をすべて摂るバランスのよい食事です。加えて、高血圧を防ぐ減塩食です。減塩にするのは、糖尿病の人は高血圧の人が多く、高血圧は糖尿病の合併症の発病・進行を早めるからです。糖尿病の三大合併症のうち、高血圧と深い関係にあるのは糖尿病腎症ですが、腎臓以外でも、糖尿病と高血圧は同じ臓器に合併症がおきやすいのです。
逆に言えば、糖尿病の人は摂取カロリーとともに減塩に注意しておけば美味しいものが食べられるということです。また、栄養バランスのよい糖尿病食は、糖尿病、高血圧その他の生活習慣病を予防し、健康を維持していく食事です。糖尿病でない人にとっても健康な生活を送るための大事なポイントです。
次回は具体的にどのように食事していけばいいか栄養学の面からアドバイスしたいと思います。
大阪城南女子短期大学考案!低カロリースイーツ特集へ
著者プロフィール:村上道子(管理栄養士)
大阪城南女子短期大学 現代生活学科 専任講師。
1976年大阪市立大学卒業後、大阪ガスに入社。料理講師として勤務。その後、梅花短期大学非常勤講師を務めたのち2000年より大阪城南女子短期大学非常勤講師に着任。2009年より常勤。小児栄養、調理理論、官能評価論、フードスペシャリスト論、栄養学、食品衛生学など担当。
日本栄養改善学会に、「小麦ふすまの調理への利用」「玄米全粒粉の調理への利用」の論文発表(共著)。