血液から見える健康
-第4回 HbA1c国際標準法について
そしてHbA1c国際標準法へ
国際的にこれらの各標準法を統一するため、国際学術組織が中心となって検討され、今後はIFCC法を基準として、日本ではIFCC値と従来のJDS値を併記、また欧米ではIFCC値と従来のNGSP値を併記するよう勧告が出されました。
従来のJDS値(欧米ではNGSP値)を併記する理由は、まだ慣れていないIFCC値だけだと、従来の方法で出された過去のHbA1c値と比較できないためです。
また、IFCC法の単位はNGSP法と区別するため、従来の「%」ではなく、SI単位(国際単位)である「mmol/mol」が採用されています。
これらの国際標準化の流れに呼応して日本糖尿病学会では、従来のJDS値(%)に加え、IFCC値(mmol/mol)を併記するよう関係機関、医療従事者に啓発活動を推進しています。
参考までにJDS(%)のHbA1c値をIFCC値(mmol/mol)にあてはめると以下のようになります。
JDS値(%) | IFCC値(mmol/mol) |
---|---|
5.0 | 35.2 |
6.0 | 45.5 |
7.0 | 55.9 |
8.0 | 66.3 |
9.0 | 76.7 |
10.0 | 87.1 |
すでにJDS値(%)とIFCC値(mmol/mol)を併記して報告している医療機関もありますので、みなさんももうご覧になっているかもしれませんが、慣れるまではしばらく時間がかかりそうですね。
著者プロフィール:堀 行雄(臨床検査技師)
2000年インクロムの提携医療機関に入職して以来、臨床検査室で忙しく検体検査をする日々。年間およそ5000人分の血液を分析。