隠れ糖尿病を見逃さない!
-第1回 健康診断を長年受けていない人へ
あなたに潜む糖尿病を、自宅でチェック
糖尿病は多くの場合、無症状か、症状があっても軽いので、自覚症状(口渇、多飲、多尿、急激な体重減少など)が出現した頃、あるいは検査により糖尿病と診断された頃には、すでに特有の合併症(網膜症、腎症、神経障害)に進行していることも稀ではありません。
こうした合併症を防ぐためには糖尿病を早期発見する必要があるわけですが、そのためには血液検査が必要です。糖尿病には、はっきりとした血糖値などによる診断基準が決められています。
糖尿病の診断基準
・早朝空腹時血糖:126mg/dL以上
・75gブドウ糖負荷試験2時間値:200mg/dL以上
・随時血糖:200mg/dL以上
・HbA1c:6.5%以上
上記のいずれかが確認された場合、「糖尿病型」と判定されます。
健康診断を年に一度は受けている人、または他の病気などで医療機関に通院している人も希望すれば血液検査を受けることができますから、糖尿病を早期発見できる可能性が高いのですが、では、普段あまり病気と縁のない人、病院に行かない人、会社や市などの健康診断を受けない人は大丈夫なのでしょうか。
特に健康診断を受ける機会のない専業主婦などの場合、自覚症状が乏しい糖尿病は見逃されてしまうことが多いのです。また健康診断は食事をぬいて受けることが多く、食後に急激に高血糖になる境界型糖尿病(糖尿病予備軍)は見逃されがちです。健康診断を受けたのが数年前で、その検査結果で大丈夫だったとしても、実は少しずつ進行しているということもあり得ます。
こうした” 隠れ糖尿病”は、特に自覚症状がない、すごく太っているわけでもない……という人にも潜んでいる可能性があるのです。健康診断を受ける機会がない人は、まずは自宅で糖尿病の簡易検査をしてみてはいかがでしょう。
糖尿病の簡易検査は、ふたつあります。
・尿糖検査:尿糖自己測定(SMUG)
・血糖検査:血糖自己測定(SMBG)
いずれも主に糖尿病治療中の患者さんの血糖コントロールのために用いられているものですが、医療機関へ行かなくても、薬局などで入手が可能です。
今回は、このうちの尿糖検査について、少し詳しく説明したいと思います。