糖尿病神経障害を回避せよ!
-第2回 進行するとどうなる?
糖尿病神経障害、気づかずに放置すると……
このコラムでは、この合併症の特徴や怖さ、そしてどうしたらそんな糖尿病神経障害にならずにすむか、お話したいと思います。
糖尿病は、自覚症状がほとんどないまま進行していきます。もし気づかずに糖尿病神経障害が進行してしまったら、とても危険な状況に陥る可能性があります。今回は、糖尿病神経障害の進行例からお話していきましょう。
●潰瘍・壊疽(えそ)
神経が麻痺してしまうと、痛いという感覚が失われてしまいます。そのため、どこかにぶつけてけがをしていても気がつかず放置され、あとで皮膚がえぐれて潰瘍となったり、火傷をしても冷やすこともなく悪化させて、組織が腐った状態(壊疽)になったりします。
こうなってしまうと、最終的には切断に至ることも少なくありません。
●無自覚低血糖
低血糖が起こった場合、通常であれば、体が反応して冷汗、動悸、手足の震えなどが起こり、血糖値を上げるホルモンが分泌されます。しかし糖尿病神経障害が進行すると、低血糖の症状を自覚できず、血糖値を上げるホルモンも分泌されなくなります。そして無症状のまま、いきなり意識を失ったりするため大変危険です。
●無痛性心筋梗塞・無痛性心筋虚血
狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患を患った場合、激しい胸痛が起こることが特徴です。しかし糖尿病神経障害が進行すると、心臓の神経が傷害され、痛みを生じないことがあります。そのため重篤な病態に気づかず、治療が手遅れになってしまうことがあります。