血液から見える健康
-第3回 HbA1cに影響を与える要因について
血糖値が安定してもHbA1cが高いまま、というときは
今回はHbA1cに影響を与える要因について詳しく見ていきましょう。
第1回のコラムの中で、“HbA1cは約1ヵ月~2ヵ月前の血糖値コントロール状態を反映する指標とされ、血糖値が高い状態が続くとHbA1cは上がり、血糖値が低い状態が続くと下がります”と説明しました。しかし、実は血糖値とは関係なくHbA1cが高くなったり低くなったりする場合があります。
通常は、血糖値が安定した状態を維持していればHbA1cも安定するはずなのですが、以下のように他の病気などが要因となってHbA1cが高くなったり低くなったりするのです。
異常高値の場合に疑われる要因
他の病気 | ・HbF(胎児ヘモグロビン)の高値 HbFは通常胎児期にヘモグロビンの大部分を占めていますが、成長するにしたがって減少し、成人では約1%以下になります。ところが成人でも血液疾患などによってHbFが高値(約3%以上)になった場合、HbA1cが高くなります。 ・腎不全 腎不全のためBUN(尿素窒素)が50mg/dL以上になった場合、HbA1cが高くなります。 ・異常ヘモグロビン症 ヘモグロビンに先天性や後天性の異常が起こり、HbA1cが高くなります。 |
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薬 | ・アスピリンの大量内服 消炎鎮痛剤であるアスピリンを大量に内服した場合、HbA1cが高くなります。 |
アルコール | ・慢性アルコール中毒症 常にアルコールに依存している中毒症の場合、HbA1cが高くなります。 |