血液から見える健康-第17回 遊離脂肪酸-他にもある糖尿病の検査
遊離脂肪酸って?
これまでは糖尿病の検査としてメジャーなものを中心に説明してきましたが、今回は少しマイナーな血液の検査項目「遊離脂肪酸」について見ていきたいと思います。
遊離脂肪酸は、本コラムの第14回(糖尿病と肥満-肥満に関連する検査)で中性脂肪について触れたときにも登場しているように、中性脂肪と深い関わりのあるものです。まずは、遊離脂肪酸について説明する前に、中性脂肪をおさらいしておきましょう。
中性脂肪(トリグリセリド)は、体内の脂肪組織の主成分で体内のエネルギーを貯蔵している物質です。食事で摂取された脂肪は、中性脂肪としてカイロミクロンという物質に含まれて末梢組織に運搬され、エネルギーとして利用されます。
また、肝臓では遊離脂肪酸から脂肪酸をもとに中性脂肪を合成しVLDL(超低比重リポタンパク)という物質に含まれて血中に分泌されています。肥満によって中性脂肪が高くなると高トリグリセリド血症となり、動脈硬化を起こすリスクが高くなります。
この中性脂肪は、「遊離脂肪酸」と「グリセロ-ル」という脂質成分からできています。そして体内の脂質代謝において、必要に応じて合成されたり分解されたりしています。

遊離脂肪酸は、FFA(Free Fatty Acid)またはNEFA(Non-esterified Fatty Acid)とも呼ばれる、血液中においてアルブミンと結合している脂肪酸のことをいいます。遊離脂肪酸は、前述の体内の脂質代謝の他、糖代謝にも関与しています。
遊離脂肪酸の血液中濃度は、脂肪組織の中性脂肪が分解されて血液中へ出てくる量と肝臓や筋肉などの末梢組織へエネルギーとして取り込まれる量などのバランスにより調節されます。これらの調節は多くのホルモンによって行われます。
遊離脂肪酸の血液中濃度を上昇させるホルモンは、アドレナリン・副腎皮質刺激ホルモン・甲状腺刺激ホルモン・成長ホルモン・グルカゴンなどで、逆に遊離脂肪酸の血液中濃度を低下させるのがインスリンやプロスタグランジンなどです。
糖尿病において、遊離脂肪酸はどのように関わっているのかというと、ホルモン感受性リパーゼという酵素が中性脂肪を分解しているのですが、このホルモン感受性リパーゼの働きを抑制するのがインスリンです。
糖尿病になってインスリンの分泌が少なくなっていると、ホルモン感受性リパーゼの働き(中性脂肪の分解)を抑える働きが弱まる、つまり中性脂肪の分解が亢進するため、遊離脂肪酸が増える=血中濃度が上昇するというわけです。

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