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糖尿病とは?
糖尿病って何?
『糖尿病』を一言でいえば、「血糖値が高くなる」病気。エネルギー源となるブドウ糖が細胞に供給されず、血液中に溜まってしまうのです。これに深く関与するのが「インスリン」の作用。さて、『糖尿病』の深層とは?
糖尿病のなるほどその1 「おしっこが甘い」病気?
『糖尿病』という名前の由来は、「甘みのある尿が出る」という意味を持つDiabetes Mellitusの日本語訳(医学名は真性糖尿病)。
尿の中に糖が溢れるのは、血液中のブドウ糖の量(血糖値)が増え過ぎたため。尿糖が出る血糖値の境界値は170mg/dL程度で、健康な人は血糖値が160mg/dLを超えることはまずない。軽度の糖尿病患者であれば、尿糖が出るのは血糖が高くなる‘食後’のみ。その一方、糖尿病が進行すると食後だけではなく‘空腹時’にも血糖値は上がるようになるため、常に尿糖が出るようになってしまうのだ。
ただし、血糖値の境界は人によって異なることもある。境界値が高い人は、かなり血糖が上がらないと尿に糖が溢れない。この場合、尿糖が出ていなくても糖尿病であることもあるため要注意だ。
このように『尿中に糖が溢れ出てしまう』のが糖尿病なのだが、実際の糖尿病検査は「尿中の糖値」ではなく「血糖値」を調べる。つまり、「尿中の糖値」ではなく「血糖値」が問題の病気なのだ。そのため『高血糖症候群』と呼ばれることもある。
糖尿病のなるほどその2 血糖値とは?(Blood Glucose / Sugar Level)
『血糖値』とは血液中に含まれている糖のこと。通常、血液内のブドウ糖(Glucose)の濃度を意味する。ブドウ糖は身体の機能を正常に働かせる、いわゆるガソリンのような存在。特に私たちの脳は、ブドウ糖しかエネルギーとして使うことができない。健康な人の場合血糖値はおおよそ100mg/dL前後であり、食後は若干高い値を示す。
すなわち、この血糖値が上昇したために調整能力(耐糖能)が弱くなり、血糖値が慢性的に高まった状態、また高くなることがある状態を『糖尿病』という。
糖尿病のなるほどその3 ナゾのインスリン(Insulin)
『インスリン(インシュリン)』はすい臓から分泌されるホルモンの一種。筋肉や脂肪組織では、ブドウ糖の細胞内への取り込みを促進し、肝臓では、肝静脈へのブドウ糖放出を抑制し血糖値を低下させる。また、脂肪や蛋白の代謝にも作用するため、その結果血糖を減少させる役割を持つ。
もう少し簡単に言うと、インスリンは食物から吸収されて血液に入ったブドウ糖を筋肉組織などに取り込み、血糖が一定値以上に上昇しないように働いているのだ。しかし糖尿病になると、インスリンが作用し難くなるため、インスリン抵抗性やインスリン分泌不足が起こる。
また逆に、すい臓から分泌されるインスリンの量が減少したり、他の原因で分泌されたインスリンが上手く作用しないようになると、血糖値が上がり糖尿病になるというわけだ。