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歯医者さんで糖尿病対策

歯医者さんで糖尿病対策

-第4回 糖尿病だとインプラントができない

糖尿病だと、高度歯科治療ができないこともある

こんにちは、歯科医師の安岡大志です。
とうとう最終回となってしまいましたが、今回は糖尿病と高度歯科治療について、お話させていただきます。

高度歯科治療とは、麻酔をした上で歯ぐきを切るような歯周病の治療や、歯を失った場合に人工の歯を作ることができるインプラント(人口歯根)という治療などのことをいいます。糖尿病だと歯周病や虫歯になりやすいことは、このコラムでお伝えした通りですが、こうした歯周病などが重度に進行した場合に必要とされる治療です。

歯を失ったとき、その治療の選択肢には、入れ歯、ブリッジ、そしてインプラントがあります。
インプラントとは、天然の歯と同じように機能回復できる治療のことです。入れ歯やブリッジは、その土台となる歯や骨がしっかりしていなくてはできず、また土台となる歯があったとしても、そこに負荷がかかるため土台となった歯や骨の損失につながりやすいという短所がありました。さらに装着時の機能性・耐久性・審美性からも、最近ではインプラントを選択する人が増えています。

ところが血糖値が高いと感染症にかかりやすいため、こうした出血を伴いやすい高度歯科治療は慎重になる必要があります。重度の糖尿病の人は傷が治りにくいと聞いたことはありませんか?血糖値が高いと傷口がジュクジュクとなかなか治らないので、そんな状態で歯ぐきを切るような高度歯科治療ができないというのは、想像に難くないでしょう。

治療前後に抗生物質を用いることもありますが、HbA1cが7%を超すような状態では、まず積極的に行われることはないでしょう。日本人においては(内科のコントロール下で)HbA1cが6.5%未満であることが望ましいとも言われています。
ですから糖尿病の人が高度歯科治療を受けるには、先に血糖コントロールを良くする必要があり、本格的な歯科治療はそれからです。

みなさんが将来もし歯を失ってインプラントを入れたいとお考えになったとき、お金も時間も十分にあったとしても、血糖コントロールが悪いというだけでインプラントという選択ができないかもしれません。ということは、その時になって後悔することのないよう、今のうちに血糖値のコントロールが必要なのではないでしょうか。
 

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