血液から見える健康
-第21回 HbA1cの国際標準化で表記が変わる
HbA1c国際標準化、表記はどう変わる?
こうした経緯を経て、国際標準値の使用を開始すべく2012年1月5日に日本糖尿病学会より「日常臨床及び特定健診・保健指導におけるHbA1c国際標準化の基本方針及びHbA1c表記の運用指針」が発表されました。
その後1月23日に換算式の変更が、2月14日に文言の一部変更がありましたが、その内容は要約すると以下の通りです。
今後のHbA1cの運用について
日常の診療では、2012年4月1日よりHbA1cの値は国際標準値であるNGSP値が、従来のJDS値と併記されます。
これに伴って、各々の表記は
NGSP値:「HbA1c(NGSP)」
JDS値:「HbA1c(JDS)」
と記載されます。
なお、検査項目名の表示・印字文字数が5文字以内という設定の臨床検査システムもありますので、その場合は、
NGSP値:大文字「A1C」
JDS値:従来通り「HbA1c」
と記載されます。
なお、このように併記されるのは日常の診療の場合のみで、特定健診・保健指導(いわゆるメタボ健診)では、1年間は従来通りのJDS値のみが用いられますので、ご注意ください(2013年4月1日以降の取り扱いについては、別途検討されます)。
NGSP値とJDS値の換算について
NGSP値とJDS値は、計算式で相互に換算できます。
NGSP値(%)=1.02×JDS値(%)+0.25(%)
JDS値(%)=0.980×NGSP値(%)-0.245(%)
下の表は、この計算式で換算したものです。ご自身のHbA1cがNGSP値とJDS値でどう変わるかご参考ください。NGSP値では、従来のJDS値に+0.3~+0.6というのがお分かりいただけると思います。