[糖尿病対策] 体脂肪を減らす!筋トレのススメ
-第2回 効率よく体脂肪を減らす秘訣
基礎代謝が上がると脂肪燃焼しやすい身体に
一般に成人男性の一日に必要なカロリーは2,200Kcal程度と言われています。
このうち生活活動に必要なエネルギー量は480Kcal、食事による産熱効果で失われる熱量が220Kcal。この産熱効果というのは、食物を消化・吸収し、栄養素を転送、代謝、貯蔵する際に消費されるエネルギー量のことです。
そして残りの1,500Kcalが、実は基礎代謝量なのです。有酸素運動をして消費エネルギーを少し増やすよりも基礎代謝により身体が消費するエネルギーの方が圧倒的に多いのは一目瞭然です。
それでは基礎代謝は人工的に増やすことはできるのでしょうか。
右図は1,600Kcalの基礎代謝の内訳を示したものです。
肝臓、胃、腎臓など内臓の臓器で、それぞれ約3~10%ずつエネルギーが消費されますが、なんと筋肉で40%近くが消費されていることがわかります。
すなわち、筋肉量が多い人は基礎代謝も高く、安静時にエネルギーを燃やしやすいと言えます。
基礎代謝を上げるために肝臓や腎臓などに働きかけることは不可能ですが、筋肉だけは介入することが可能です。それが、運動です。
運動することによって、筋肉に刺激を与え筋肉を少しでも増やすことができれば、基礎代謝が上がり、その結果多少食べ過ぎてもどんどんエネルギーを燃やしやすい身体になります。
筋肉量を増やすことができる運動は、スクワットや腕立て伏せなどの筋力トレーニング、ウエイトトレーニング、レジスタンス運動などと呼ばれるものです。
次回は、有酸素運動と筋力トレーニングの違いについて考えてみたいと思います。
著者プロフィール:宇佐見 啓治(医師)
うさみ内科 院長。1955年8月郡山市生まれ。1982年福島県立医科大学を卒業後、同大学付属病院第二内科に入局。1988年より福島赤十字病院に約10年間勤務、1997年10月に郡山市にうさみ内科開業。
専門分野は、内科全般。消化器、糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満などの成人病治療(特に運動療法)。所属学会は、日本内視鏡学会、日本肥満学会、日本糖尿病学会。日本内視鏡認定医、日本内科学会認定医、日本医師会スポーツ認定医、日本体育協会スポーツ認定医。
趣味はボディビル(2001年福島県ボディビルディング選手権大会4位入賞)、バトミントン、映画鑑賞、木版画、ひょうたんランプ作り、サックス演奏。