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糖尿病と目の合併症

-第3回 糖尿病網膜症が進行する要因

網膜症-眼局所因子とは

硝子体変化

硝子体というのは、眼球の中のゼリー状の充填物(中を満たしているもの)と考えていただいたらよいと思います。この硝子体は、年齢とともに液化・変性・収縮します。このとき、網膜を引っ張り、出血や網膜剥離を引き起こし、網膜症悪化を引き起こすことがあります。

手術

一番考えられるのは白内障手術だと思います。
通常、大抵の手術は血糖コントロールが改善されてから行うのが一般的ですが、糖尿病の場合は改善されるのを待っているといつまでも手術できないケースもありますので、HbA1cが10%近くあるような場合でも手術に踏み切ることがあります(見えないほうが生活上危険なため、待てないことも多いのです)。

こうしたコントロール不良ケースでは、健常な人に比べると感染や眼内炎のリスクが高くなるのはもちろんですが、網膜症が一気に進んだり、黄斑浮腫が出てきてしまうこともあります。

そうなると治療(手術)しても視機能改善が見られないこともあります。せっかく白内障の濁りがとれて見えるはずだったものが、視力が上がらず、残念な思いをすることもときどき経験します。
 

著者プロフィール:井上 慶子(医師)
2001年鳥取大学医学部卒業。豊中病院、西淀病院、西眼科勤務(いずれも大阪府)を経て、2012年4月より医療法人 光輪会 さくらクリニックにて管理医師、2013年8月より医療法人愛成会 理事就任。専門領域は眼科。日本眼科学会、日本眼科手術学会所属。

 

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