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糖尿病と目の合併症

-第2回 糖尿病網膜症と黄斑症

網膜症が現れたら、糖尿病は重度

成人の失明の原因となる疾患の第1位は緑内障です。糖尿病で失明してしまうという話を聞いたことのある方は多いと思いますが、実は糖尿病は緑内障に次いで失明原因の第2位ということをご存知でしょうか。
今回は、糖尿病の合併症の中でも失明の原因として一番重要と考えられる網膜症と黄斑症についてお話していきたいと思います。

外来で目の診察をしていると、患者さんに「糖尿病はありませんか?」とよく聞かれます。
実は、網膜症が眼底に現れた頃には、糖尿病が発症してから既に5年以上が経過していることがほとんどです。
糖尿病網膜症は、糖尿病の罹病期間が5年で10%、10年で30%、15年で50%、20年では70%の方に見られると言われています。
糖尿病の3大合併症が現れるのは、神経症 → 網膜症 → 腎症の順にほぼ決まっていますから、網膜症が出るころには既に神経症も出ているのです。

ところで、健診結果を見てもそれがどのくらい悪いのか・または心配ないレベルなのかピンとこないという方も多いと思います。
血液検査の項目にHbA1cという指標がありますが、私は糖尿病の感覚を患者さんにつかんでもらうために「自分のHbA1cの値に、30を足してみましょう。」と指導しています。

例えば、HbA1cが7.5%であれば、37.5という具合です。これを体温として考えると、どれくらいの重症度か、の感覚がつかみやすくなります。この例の場合の37.5℃は、微熱くらい……大丈夫だけど油断ならないという感じです。
では、9.0%では……39℃の体温!これは相当重症だとわかりますね。

HbA1cの値が高い、つまり血糖コントロールが不良で、さらに糖尿病の期間が長いほど、当然網膜症の進行のリスクは高くなります。

実は、血糖コントロールの改善による効果は、網膜症に対しては短期間には現れません。良好なコントロールを6年以上維持してはじめてその効果が出ると言われています。
つまり、血糖コントロールが良好なら網膜症の発症のリスクは下がるのですが、網膜症になってしまってからでは、良好な状態を長期間維持しなくては、網膜症の進行予防には効果が弱いのです。

網膜症は、一旦発症させてしまうと進行を止めるのは難しい合併症です。ですから「血糖値が高い」「糖尿病ですよ」と指摘されたら、たとえ自覚症状がなくても、放置してはいけないのです。

 

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