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Come On! 糖尿病教室

Come On! 糖尿病教室

-第22回 新しい糖尿病治療薬で血糖値が良好に

一生続く糖尿病の治療、小さな成功体験の積み重ねが大切

SGLT2阻害薬を服用すると、尿糖排泄とともに血糖値が下がり体重も減少するため、Oさんのようなインスリン抵抗性の高い肥満のある患者さんは、服用後に目に見える形で効果が現れやすいのも特長です。こうした成功体験や治療の動機付けをしっかり理解することにより、療養生活を前向きな姿勢につなげることができます。

糖尿病は決して完治しない病気です。すなわち一生付き合っていく必要のある病気です。一生、食事療法や運動療法を続けることは、なかなか難しいことです。糖尿病療養指導士は指導時に、患者さん自身が何か努力をして、体重減少や血糖コントロールの改善につながった場合、患者さんを少し大げさなくらいに称賛します。

この成功経験こそ患者さんがセルフケアに行動変容をする大事なポイントになるからです。そのため、運動療法への意識を高めるため、目標を患者さんと一緒に「少し頑張れば達成できそうな」程度に立て、その目標をクリアするという体験を得やすくします。
そして、その成功経験が運動への自信ややる気を引き出し、その後少しずつ目標を上げていくことも可能になります。

私たち糖尿病療養指導士が患者さんに対するとき、自分にできないようなことは決して患者さんに勧めません。そのような療法は長続きしません。患者さんが、自分はどうなりたいのか、患者さんの思いを尊重することで、長期間無理なく続けられるような方法を用いて、血糖コントロールが良好に保てるような指導を心掛けています。


 

著者プロフィール:小宮山 恭弘(糖尿病療養指導士)
1988年 行岡医学技術専門学校臨床検査科卒業。2001年より大阪鉄道病院にて糖尿病療養指導士として勤務。2015年3月 大阪市立大学大学院 生活科学研究科卒業。博士(生活科学)。

 

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