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新しい血糖測定CGM(持続血糖測定)

新しい血糖測定CGM(持続血糖測定)

-第2回 CGMはどんな人に適しているの?

CGMのメリットが特に活かされる患者さん

前回は、CGM(持続血糖測定)で血糖値の日内変動を把握できるということをご説明しました。今回はもう少し詳しく、CGMがどんな患者さんに用いられるのかを見ていきましょう。

●HbA1cが高い人
●夜間低血糖および無自覚低血糖
●食後高血糖

CGMの利点は、血糖値の日内変動を把握して糖尿病の血糖コントロールに活かすことができるということです。就寝中や昼間の仕事や外出先などで、SMBG (血糖自己測定)がままならない時間帯も、CGMであれば把握できます。

●暁現象:主に1型糖尿病の患者さんに起きる早朝や起床前の高血糖
人は明け方の3~4時に成長ホルモン分泌が増えます。成長ホルモンは、インスリンの働きを阻害し血糖値を上昇させるため、インスリンの基礎分泌がまったくなくなっている1型糖尿病の患者さんに、血糖値がより上昇します。
●ソモジー現象:インスリン療法中の患者さんで低血糖の後に反動的に血糖値が上昇する現象
低血糖が起きると血糖を上昇させるため、グルカゴンやアドレナリンなどの分泌が増えます。それにより肝臓での糖の産生が増加し血糖値が上昇します。
暁現象・ソモジー現象のいずれも、SMBGだけでは把握しきれない血糖値の急上昇を把握するため、24時間測定できるCGMの利点が活かされます。特に強化インスリン治療をしている患者さんにとって、低血糖のリスク回避やシックデイの対応のため、日内変動を把握できるというのは最大のメリットです。

●血糖変動が激しい人
●SMBGとHbA1cが一致しない人
●血糖コントロール不良(より良いコントロールを望んでいる人)

このような患者さんも、CGMで血糖上昇パターンを把握することが、良好な血糖コントロールにつながります。

●糖尿病合併妊娠、妊娠糖尿病
糖尿病合併妊娠は、もともと糖尿病だった女性が妊娠したもの、妊娠糖尿病は妊娠をきっかけに糖尿病になったものです。いずれも妊婦の糖尿病は、母体と胎児にとっても難産や分娩障害など出産時においても大変なリスクがあります。糖尿病治療という点では血糖値を下げたいのですが、胎児にとってブドウ糖は大切な栄養源、血糖値は高すぎても低すぎてもいけないため、CGMで血糖変動パターンを把握することは厳密な血糖コントロールに大変有用です。

●小児糖尿病
●SMBG測定頻度の低い人

小児・若年のうちに発症することが多い1型糖尿病も、インスリン療法による低血糖リスクなど、厳密な血糖コントロールが不可欠ですが、器具の操作が不要で痛みの少ないCGMは、小さな子どもさんにも負担が小さく大変有用です。また成人であっても、外出先や仕事中などSMBGができない人や、ご高齢の患者さんなどにとっても同様に有用なものです。

 

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