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要注意!糖尿病予備軍

-第3回 耐糖能異常の悪影響

耐糖能異常が、血管系障害を促進する

前回は、どういう人が耐糖能異常になりやすいかについて簡単に触れました。
高血糖は血管障害を引き起こし、いろいろな悪影響があらわれます。今回は、糖尿病や耐糖能異常が原因となる血管系障害にはどういったものがあるかを考えてみましょう。

糖尿病の慢性合併症(網膜症、腎症、神経障害)は、血管系障害が大きな原因と考えられています。従って、血管系障害の進行を防ぐことは、慢性合併症の改善において重要な意味を持っています。
血管障害によって生じる慢性合併症は侵される血管の太さにより、細小血管症と大血管症の2つに大別されています。

まず、細小血管症の血管障害を考えてみましょう。
細小血管症は、小動脈や毛細血管の病変によるもので、糖尿病患者によく見られ、代表的な疾患は網膜症や腎症です。また、神経障害も糖尿病の代謝異常による特有な疾患で、これらは3大合併症として細小血管症に含められることが多いです。

次に、大血管症の血管障害を考えてみましょう。
大血管症は、動脈硬化によるもので、冠動脈病変による虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、脳動脈硬化による脳梗塞(ラクナ梗塞など)、下肢末梢動脈硬化による閉塞性動脈硬化症(ASO)があります。

実は、大血管症は糖尿病患者に特有の合併症というわけではなく、非糖尿病患者にも発症は多く見られます。しかし重要なことは、糖尿病患者(耐糖能異常でも)の場合、大血管症の発症が促進されて重症であることが多く、生命予後を左右する重大な合併症となる可能性があるということなのです。

 

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