ログインするとすべての記事が読めます

糖尿病特集サイト/メディマグ. 糖尿病

メディマグ.健康相談室

このままの治療で問題ない?

このままの治療で問題ない?
相談者: みうら(67歳・男性) 2011.11.25
67歳男性、身長160cm体重59kg。父親が50代のときには糖尿病でした。
人間ドックの検査で平成20年まではHbA1cが5.8~6.1でしたが、21年10月に6.6、23年3月には7.3と急に上がり、4月以降糖尿病専門医にかかり、いきなりメトリオン錠250(その後メトグルコ)を処方されました。
まず食事や運動療法が先だと思い、好物のお鮨を食べた時や旅行時以外は薬を飲まず、野菜→たんぱく質→炭水化物(夕食は食べない。十五穀米80gまたは全粒紛パン薄切り2枚)の順で食べ、毎食後60分くらいにスクワット20回、エアロバイク20分、腕の筋トレ5分を欠かさずやっています。

その後HbA1cは4月7.5→6月6.9→7月6.6→9月7.1→11月7.0と、思うように下がりません。担当医は、私が今やっている新しい食事療法や運動療法は眼中になく、NHK「ためしてガッテン」でやっていた順天堂大学 河盛教授の強化インスリン療法の話をしても、インスリンはもっと悪くなってから打つものと取り合ってもくれず、ただただしつこく薬とカロリー制限のみを奨めます。
このまま画一的な治療を続けていくことに不安を感じています。インスリンの量を調べる等個別の治療をしてくれる東京や神奈川の病院はないのでしょうか。
いまの薬を服用し、教育入院などで食事・運動療法を身につけましょう。
あなたが心配しているとおり、このままではインスリンを分泌する膵臓のβ細胞の疲弊が徐々に進行し、糖尿病が悪化する可能性があると思われます。
残念ながら東京や神奈川で細かく個別治療をしてくれる施設に特に思い当たるところはありませんが、一般の施設には保険診療のしばりがあるので先進医療で完璧に期待に応えてくれる施設を探すのは困難であり、あなたにとって相性のよい施設を探すことが現実的だと思います。

あなたが受診している病院に何の問題もないと思いますが、もし他院を受診するのであれば周りにいる糖尿病の人に尋ねるか、Webで評判のよい施設を探してみるのがよいと思います。患者さんの厳しい目で評価された病院は、医師からみても良い病院であることがほとんどです。
なお河盛先生がおられた順天堂大学に糖尿病1週間教育入院や糖尿病土日入院というシステムがあるので、主治医に頼んで紹介してもらうのも有力な選択肢だと思います。

蛇足かもしれませんが、あなたの糖尿病を改善させると考えられる方法を下記に書いておきます。あなたの主治医に近い意見となっていますが、私なりに一生懸命考えた結果ですので参考にしていただければと思います。

① 主治医にいわれたとおりメトグルコを毎日服用すること
メトグルコは、自分で分泌したインスリンの効果を増強するため低血糖を起こしにくく、安全にHbA1cを下げることができます。主治医の肩を持つわけではありませんが、現状に対しては最も適切な薬だと思います。

② 糖尿病の教育入院、または糖尿病教室に通うなどして、標準的な食事療法と運動療法を身につけること
テレビなどのメディアでもてはやされている方法は、患者側に迎合的すぎる面もあり標準的な考え方と多少違います。本格的に糖尿病の治療を理解するには病院で勉強するのが最も効率的です。

③ 強化インスリン療法
ただし、インスリンは長く使用するとインスリンに対して抗体ができるなど長い目で見ると糖尿病の治療がかえって困難になる可能性があるので、よほど意義がないかぎり行われません。効果とリスクを勘案すると、あなたの状況では行うべきではないという結論になると思います。

河盛先生がテレビ番組でおっしゃりたかったのは、2型糖尿病で血糖値が400を超えるなどデータが非常に悪い場合には最初からインスリンを使えば回復がよいので、そういう方法があるということを一般の人に知ってほしかったのだと思います。
強化インスリン療法はよい治療法なのですが、1型でもない糖尿病にインスリンを使う病院に対して、「あそこの病院は軽い糖尿病に対していきなりインスリン注射をする、とんでもない病院だ。」という悪い評判になってしまった事例を何度も見聞きしたことがあります。

メディマグ.健康相談室

もっと見る

新着健康コラム

「新着健康コラム」をもっと見る