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体重増加したのに、ヘモグロビンA1cが良好?

体重増加したのに、ヘモグロビンA1cが良好?
相談者: しま(36歳・女性) 2013.06.26
一昨年の10月、ブドウ糖負荷試験を受け、ヘモグロビンA1cが5.2(JDS)、1時間値が212mg/dL、2時間値が151mg/dLで、境界型糖尿病と診断されました(身長162cm、体重48kg)。

それ以後、食事と運動に気をつけ、当時授乳中だったこともあり、5kgほど痩せました。ですが、昨年9月に卒乳し、その後すぐの検査で、ヘモグロビンA1cは5.4(JDS)と悪くはないけど良くもないような数字でした。

それから今年の2月には、体重が5kg増加し、48kgまで戻ってしまったのですが、ヘモグロビンA1cは5.1(JDS)と良くなっていました。

体重が増加すると糖尿病は悪化しますよね?検査間違いでしょうか?それとも、こちらのコラムにあったのですが、9月と2月に受診した医療機関が違ったので、0.6ぐらい誤差があったとして、やっぱり悪化してしまったのでしょうか……。
体重増加でも、増えたのが筋肉量であれば、血糖コントロールは良好に。
体重が5kgも増えながら、ヘモグロビンA1cが良くなった理由には複数の解釈がなりたちます。下記の3つの解釈のひとつないし複数が、その理由だと思います。

ひとつ目ですが、肥満判定の国際基準であるBMIを用いた計算で、あなたの標準体重は57.7kgです。48kgでも「やせ気味」と考えられます。43㎏が48㎏になったことは、太ったというよりは、やせていたのが標準に近づいただけなのでヘモグロビンA1cを悪化させなかったという解釈です。

ふたつ目ですが、同じ体重増加であっても、増えた分が脂肪であるか、筋肉であるかによって糖尿病への影響がかわることです。たとえば体脂肪が増えれば糖尿病は悪化しますが、筋肉量が増えると糖尿病は改善します。つまり5㎏増えた体重の内容が筋肉だけであれば、ヘモグロビンA1cが低下することとなります。もし、今回の体重の増加が、単なる食べ過ぎではなく、筋力トレーニングを行った結果であるとするならば、糖尿病は筋肉増加により改善したという解釈になると思います。

そして3つ目ですが、同じ機器を用いてもヘモグロビンA1c(JDS)の測定誤差は、測定値の2~3%あるとされています。あなたのヘモグロビンA1cの値は約5なので、0.2までは測定誤差範囲内となります。
医療機関が変わったとのことですから、測定機器が違う可能性があり、ヘモグロビンA1c(JDS)の5.4から5.1に下がった分である0.3は誤差範囲かもしれません。

あなたの糖尿病は、妊娠前に発症したのか、妊娠をきっかけに発症したのかは明確ではありません。いずれにしても軽症であり、もともとやせているためか、少し体重が増えてもヘモグロビンA1cは正常範囲内で、血糖コントロールは良好であると考えられます。現状を維持できればよいのですが、これからも過食や運動不足で悪化する可能性があります。今後の健康を維持するためには、なるべく同じ医療施設で定期的にヘモグロビンA1c検査を受け、もし悪化すれば、そのたびに食事療法、運動療法、薬物治療などの指導を受けるようにされたらよいと思います。

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