Come On! 糖尿病教室
-第3回 血糖コントロール指導って?
血糖コントロールの検査って?
糖尿病になっても初期のうちは無症状のため、検査をしなければ血糖の状態はわかりません。血糖値は食事量や運動によりまるで為替相場のように常に変動していますが、その変動幅は非常に狭い範囲です。合併症の進行を防ぐためには血糖値を一定に保つことが最も大切です。
血糖コントロールのために用いられる検査は、いくつかあります。
尿糖、血糖値(空腹時・食後2時間)、過去1~2ヵ月の血糖の平均を示すHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)や過去2週間の血糖の平均を示すGA(グリコアルブミン)などを用います。
外来患者さんは1~2ヵ月に1度、病院を受診する場合が多いので、日々の生活環境で血糖がどのくらいであったか見るのにHbA1cやGAは最適です。
HbA1c (ヘモグロビン・エー・ワン・シー) 基準値:4.6~6.2%(NGSP 国際標準値)
HbA1cは血液中の成分である赤血球内に含まれるたんぱく質で、ヘモグロビンとブドウ糖が非酵素的に結合し変化したものです。
血糖値が高いほど、HbA1cの割合が増えてきます。赤血球の寿命が120日であることから、その寿命の半分である過去1~2ヵ月の血糖値の平均を反映し、血糖コントロールの良い指標になります。
GA(グリコアルブミン) 基準値:11~16%
血清アルブミンにブドウ糖が非酵素的に結合したものを、総アルブミンに対する比率で表したものです。血液中のアルブミンの半減期が2週間であるため、過去2週間血糖値の平均を表しています。血糖コントロールが安定している状態では、グリコアルブミンとヘモグロビンA1cの比率は、約3:1の関係にあります。
インスリン抵抗性
高血糖になるのは、血糖を下げる唯一のホルモンであるインスリンの量が不足すること、または作用の低下(抵抗性)が起きて、バランスが保てなくなることで起きます。
こうした糖尿病の原因を探るためにインスリン抵抗性を調べます。