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血液から見える健康

-第5回 グリコアルブミン-HbA1cの他にもある、糖尿病の検査

グリコアルブミンとHbA1c、その違い・使い分けは?

グリコアルブミンとHbA1cの大きな違い、それは血糖のコントロール状態を把握できる期間です。

HbA1cは半減期(物質が徐々に減り半分になる期間)が約29日といわれています。
約1ヵ月で半分に減る、つまり、1ヵ月前~現在までの1ヵ月間の血糖状態の50%、2ヵ月~1ヵ月前までの1ヵ月間の血糖状態の25%、4ヵ月~2ヵ月前までの2ヵ月間の血糖状態の25%が反映されています。
そのため、採血前の一定期間(約1~2ヵ月間)の血糖のコントロール状態を把握することができます。(第1回参照)

これに対し、グリコアルブミンは半減期が約17日といわれています。
約2週間で半分に減る、つまり、約2週間前~現在までの約2週間の血糖状態の50%、約1ヵ月前~約2週間前までの2週間の血糖状態の25%、約1ヵ月前よりも以前の血糖状態の25%が反映されているのです。
そのため、採血前の一定期間(直近約2週間)の血糖のコントロール状態を把握することができるわけです。

このように、グリコアルブミンの半減期がHbA1cの半減期の約半分であることから、血糖のコントロール状態をより早く敏感にとらえることができるのです。
なお、一般的にグリコアルブミンはHbA1cを約3倍した値となるといわれています。
例えば、HbA1cが5.0%なら、グリコアルブミンは約15%という具合です。

グリコアルブミンの場合、HbA1cではわからない直近約2週間の血糖コントロール状態がわかりますので、経口血糖降下薬の投与やインスリン治療を開始して間もない患者の治療効果を知ることができます。
また、HbA1cは、出血、溶血、異常Hb、腎不全などの影響を受けますが、グリコアルブミンはこれらの影響を受けないため有用です。(第3回参照)

さて、駆け足で説明しましたが、グリコアルブミンのことが少しでもおわかりいただけたでしょか。
次回は、1,5-AG(1,5-アンヒドロ-D-グルシトール)について、みていきたいと思います。

 
著者プロフィール:堀 行雄(臨床検査技師)
2000年インクロムの提携医療機関に入職して以来、臨床検査室で忙しく検体検査をする日々。年間およそ5000人分の血液を分析。
 

 

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