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糖尿病と目の合併症

-第4回 眼底出血と全身の合併症

網膜静脈閉塞症(RVO)- 眼底出血の原因は網膜症だけじゃない

網膜には動脈と静脈が一緒に並んでいますが、静脈の上を動脈が乗り越える場所があります。
この部位に動脈硬化が起きると、硬化した動脈がその下の静脈を圧迫・狭窄させて、静脈が閉塞されてしまいます。これが網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)です。閉塞した部分から先に行くことができず、行き場を失った血液があふれて眼底出血や網膜浮腫が起きるというわけです。

網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)によって視力にどの程度影響するかというと、網膜の中心部分である黄斑に浮腫が起きているかどうかによります。もし閉塞した血管が黄斑へつながる静脈だった場合、黄斑の機能が障害され、視力が戻らないこともしばしばあります。


そしてもうひとつ、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)というのがあります。これは、枝分かれしている静脈が視神経乳頭上で1本にまとまった部位(この太くなったところからの静脈を網膜中心静脈と呼びます)で起こるもので、この血管も網膜中心動脈と接しているため動脈硬化の影響を受けて閉塞し、眼底出血が起きてしまうのです。 こちらも、目の静脈の中心で起きるわけですから、すべての血管が影響を受け、視力低下を生じます。

この2種類を総称して、網膜静脈閉塞症(RVO)と呼びます。
網膜静脈閉塞症(RVO)は、もともと糖尿病網膜症に次いで頻度の高い眼底疾患であり、しばしば糖尿病患者に発症すると言われ、また、糖尿病網膜症に進行することもありますので、糖尿病の方には注意が必要です。

 

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