糖尿病のあれこれ
-第5回 糖尿病と食欲
糖尿病の回避のためのダイエット、それは食欲との戦い
もしあなたが糖尿病もしくは糖尿病予備軍と診断されて、まずは食事量を減らして体重を減らすように指導されたとしましょう。また糖尿病と関係がなくても、明らかに肥満気味でなんとか体重を減らしたいと考えているとします。
そういった場合、まずはダイエットを始めてはみるものの、食欲に勝てずに挫折してしまう事が多いに違いありません。
そこで自分の意思の弱さに悩み、くやしい思いをする人もいるでしょう。
食欲というものは、従来人間が生きるための大変重要なシステムです。食料が乏しかった昔の時代に、もし人間に食欲がなかったら食べ物を得るために行動をおこさずに、そのままたくさんの人が弱って死んでいったかもしれません。
でも現代のように十分に食事があり、逆に摂りすぎを抑えないといけない時代においては、大きな壁になっています。
なんでもそうですが、目的や対象についてよく理解する事が、その達成につながってきますので、今回は食欲とはどういうものか、という事について考えてみたいと思います。
食欲とは、大きく本能的な欲求と精神的な食欲の二つに分かれます。
本能的な食欲は、空腹になったり血糖値が低下したりすると起こる食欲です。
そして精神的な食欲は、見たり、匂いをかいだり、さわったり、味わったりして起こる食欲です。これらは、脳の高度なシステムと目、鼻、舌などの感覚器によって支配されており、かなりの強敵です。単純に意思の強い弱いだけで片づけられないものです。