糖尿病のあれこれ
-第10回 糖尿病と心臓病
要注意!糖尿病の人は、心臓病になりやすい
今回は糖尿病と心臓病の関係についてお話します。
心臓病といえば、みなさんはどのような病気を思い浮かべるでしょうか?
たとえば心筋梗塞、狭心症、心不全、弁膜症、不整脈など……。
まずは心臓のことを簡潔に説明しますと、心臓は、血液を全身の臓器に送るポンプの役割をしていて、1分間に50~100回の割合で絶えず収縮と拡張を繰り返します。
心臓が正常に働かないと、息切れ、動悸、胸の痛みなど様々な症状を起こし、最悪の場合は死に至ります。
心臓は心臓の細胞自身にも必要な血液を送っています。この血管が細くなると狭心症、閉塞すると心筋梗塞や心不全を起こしますが、これらの病気が糖尿病と深い関係にあるのです。
糖尿病の人は、狭心症や心筋梗塞になる確率が糖尿病でない人の倍以上になると言われ、重い糖尿病の場合、その確率はさらに上昇します。
なぜ糖尿病だとこういった病気になりやすいかというと、長期間血糖値が高い状態にさらされた血管が硬くなって動脈硬化を引き起こし、血栓という血の固まりができやすくなったり血管自体が細くなって、やがて完全に詰まったりするからです。
最近では、芸能人の松村邦洋さんがマラソン中に急性心筋梗塞による心室細動という死に至る不整脈で倒れ、無事救命されました。また、北朝鮮の独裁者である金正日は、以前より糖尿病と心臓疾患に罹っているらしいですが、最近は脳梗塞も併発し、新聞等で騒がれました。3人の息子達も糖尿病だそうです。古くは、織田信長や徳川家康も糖尿病に罹っていたと推定されています。