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糖尿病のあれこれ

-第8回 糖尿病とうつ病

糖尿病とうつ病の関係は?

以前、糖尿病と歯周病の関係(第4回)についてお話しましたが、今回は糖尿病とうつ病の関係について書くことにします。

現代社会は、昔に比べて様々な点で変化してきています。そして、それが人間の体に影響を及ぼし、病気のかかり方も変化してきました。

現代社会の特徴として、車や交通機関の発達による運動不足、脂肪や炭水化物の多い欧米化した食事、複雑な人間関係や仕事から来るストレスなどが挙げられます。
こういったことが原因で現代人は糖尿病になりやすくなったといえます。

うつ病もまた、現代人に急激に増えてきています。
うつ病は、精神的に落ち込んで、意欲が減退し、やがては社会生活が送れなくなる病気で、自殺の大きな要因でもあります。特に近年、治療薬の開発が進んだことで注目度が上がっています。

さて、さきに現代社会の特徴として挙げた、糖尿病になりやすくなった要因である「運動不足」「欧米化した食事」「ストレス」など……なんとなく、うつ病にも関係しているように思えませんか?

実は、実際に糖尿病の方がうつ病になりやすく、逆にうつ病の方も糖尿病になりやすいということは、データで証明されています。報告書にもよりますが、実に2~3倍と言われています。

糖尿病にかかると、食事や運動など生活管理が必要になるので、当然ストレスが増えてきます。検査の結果が良くなかったり、糖尿病の合併症を指摘されたりすると、さらに落ち込みます。その上、これまでストレス解消のために行ってきたことが糖尿病のせいでできなくなるという場合もあるでしょう。

また、インスリンがうつ病に関係しているという報告もあります。うつ病の方は病気によって運動不足、過食や睡眠不足になりますし、ストレスホルモンの増加も起こります。これらの影響で、うつ病の方に糖尿病が発症しやすくなるのです。

このように糖尿病とうつ病は合併しやすい病気なのです。ですから、糖尿病の患者さんを家族や知り合いにもつ方は、むやみに食事療法や運動療法を強要してかえって合併症を増やすことにならないよう、十分配慮する必要があります。

糖尿病にせよ、うつ病にせよ、ストレスという大敵が背後に存在しています。特にうつ病の方は、ストレスに対して非常にもろい性質をもっているので注意が必要です。

 

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