糖尿病ドクターの新しい糖尿病治療薬話
-第1回 SGLT2阻害薬は、ブドウ糖の再吸収を阻害する
糖尿病治療薬(経口血糖降下薬)の種類
ここで、SGLT2阻害薬を含む糖尿病治療薬の種類とその働き方を見てみましょう。
2型糖尿病には、高血糖になる要因が複数あります。
まず、インスリンの抵抗性が増大したタイプ。すい臓からインスリンが分泌されているにもかかわらず、細胞膜でそれをキャッチする感度が鈍り、うまく利用できない状態です。
それから、インスリンの分泌能が低下したタイプ。運動不足や過食で慢性的に高血糖状態が続くことで、常にインスリンを分泌しなくてはならず、これが長期間続くことですい臓は疲弊して分泌能力を失ってしまった状態です。
どちらのタイプもインスリン作用が足りないため、血糖値が下がりません。
そして、はじめのうちは食後にだけ高血糖だったのも、空腹時にも高血糖の状態へと悪化していきます。なお、高血糖状態が続くことでさらにインスリン分泌能が低下し、さらに高血糖の状態を呼ぶという悪循環に陥ってしまいます(糖毒性)。
治療薬の選択は、こうした患者さん個々の病態を踏まえて決められるのです。