Come On! 糖尿病教室
-第24回 内臓脂肪型肥満とアディポサイトカイン
過食の原因と食欲中枢の関係
一般に食欲は、脳内の視床下部にある食欲中枢の命令で摂食行動が起きます。食欲中枢は、食行動を促す摂食中枢と、それを抑制する満腹中枢のふたつから成り立っていて、それぞれで調節が行われています。食後に胃が「満腹になった」という機能的刺激が起こり、血糖やインスリンなどが急増して満腹中枢が刺激されると、摂食行動が抑えられます。
しかし、大脳が発達した人間の場合では、習慣・嗜好・外界からの刺激などが食欲の経路に割り込むことで、さらに摂食行動が起こってしまいます。
周囲に食べ物があり目に入ることで、一旦お腹がいっぱいになったにも関わらず、もう少し食べたいという気持ちが起こってしまい、結果過食につながってしまうのです。特に肥満状態では、この割り込み刺激が強力なため、過食になると考えられています。
Sさんのケースでは、まず、余分な食材、特にそのまま調理せずに食べてしまえるものの買い置きをなくすこと、しかし経済的な理由などにより、頻回の買い物ができない場合には、買い置きした食材が目に入らないようにしまっておくなどの工夫を指導していきます。