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血液から見える健康

-第13回 血糖-糖尿病の検査

血糖の検査の種類

 

前回まで糖尿病の検査としてHbA1cをはじめとしたいろいろな項目について説明しましたが、今回は糖尿病の検査として最も基本的な検査項目である血糖について詳しく見ていきます。

血糖は、わたしたちの体内のエネルギーとして最も重要な物質のひとつであり、各種のホルモン、食事による消化管からの吸収、肝臓の糖新生及びグリコーゲンの分解、各組織での糖利用、腎臓での排泄などにより調節されています。

糖尿病の患者さんの場合は、すい臓から分泌されるインスリンの量が減少したり、他の原因で分泌されたインスリンが上手く作用しないようになったりすると、血糖値が上がります。(参考:「糖尿病とは?」2. 糖尿病って何?

みなさんが病院や診療所で採血した血液は、検査室・検査センターに運ばれてさまざまな臨床検査項目について調べられます。
測定方法や測定装置は、各医療機関の検査室・各検査センターにより異なるため、検査値も測定施設により多少異なることがあります。けれども血糖に関しては、HbA1cに比べて各測定方法間の標準化が進んでいるため、測定法による差は小さく、臨床的意義に対する影響はほとんど問題にならないレベルと言えます。(参考:第2回 HbA1c値は測定法で変わる?

血糖の測定法には、酵素法と電極法があり、現在のところ酵素法が約7割、電極法が約3割で採用されています。

酵素法は、反応に用いる酵素によってさらに分類され、ヘキソキナーゼ法、グルコキナーゼ法、ブドウ糖酸化酵素法などがあり、その中でも主流となっているのはヘキソキナーゼ法です。このヘキソキナーゼ法は、特異性(血糖以外の他の物質と反応しない性質)が高いため、アメリカ臨床化学会の標準法であり、日本臨床化学会(JSCC)の勧告法でもあるため、血糖測定の標準法として位置づけられています。

電極法は、反応過程において消費される酸素を測定するのですが、ブドウ糖酸化酵素を用いることから、ブドウ糖酸化酵素電極法(GOD法)と呼ばれています。
ちなみに、自分で血糖を簡単に測定できる自己血糖測定(SMBG)装置では、このブドウ糖酸化酵素電極法(GOD法)を用いるものがほとんどです。

このように血糖の測定法には種類がいろいろとありますが、病院の検査室・検査センターの自動分析装置では、酵素法(ヘキソキナーゼ法)とブドウ糖酸化酵素電極法(GOD法)がそのほとんどを占めています。

 

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