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健康コラム

食べても太らない?奇跡の甘味料と呼ばれる「希少糖」とは

糖質は、人間の体に必須な3大栄養素のひとつです。体内でエネルギー源として利用され、生命活動にも重要な役割を果たしていますが、摂りすぎると太りやすく、生活習慣病を発症する危険性もあります。
そこで、今回、クローズアップするのが希少糖です。しっかりした甘味があるのに、食べても太らない。そんな魔法のような希少糖とは一体どのような糖分なのでしょうか。

希少糖ってどんな糖?

希少糖は、国際希少糖学会によって「自然界にその存在量が少ない単糖とその誘導体」と定義されている天然の糖です。存在する量は少ないですが、種類が豊富で自然界に50種以上あると言われています。
以前は、その価値があまり認められていませんでしたが、生活習慣病を改善する可能性のある希少糖が発見されるなど、近年になって存在意義が見直されています。

希少糖に期待される作用

砂糖のデメリット

甘味料の中で、市場の約6割を占めているのは砂糖です。良質な甘みを持つ砂糖は、料理や調味料、お菓子などに幅広く使用され、人々の嗜好を満たしてきました。
しかしながら、砂糖には、体内に吸収されやすく急激に血糖値を上げる性質があります。そのため、過剰に摂取すると高血糖や高インスリン状態が続き、糖尿病や高血圧などの健康問題を引き起こす恐れもあるのです。

希少糖が持つ作用

そんな中、希少糖が新たな甘味料として注目されています。
希少糖は、カロリーにならない特徴を持つことがわかっています。肥満を抑制したり防止したりする効果も報告され、現在も積極的に研究が進められています。

代表的な希少糖とそのはたらきをご紹介しましょう。
・D-プシコース
もっとも研究が進んでいる希少糖で、食後の血糖値の上昇を抑える効果があるとされています。
・D-アロース
心筋梗塞・脳梗塞の予防、血圧の上昇抑制、癌細胞の増殖抑制などが報告されています。

希少糖と人工甘味料の違い

希少糖と同じくカロリーゼロの甘味料に人工甘味料があります。
しかし、人工甘味料は、希少糖とは違って健康への影響が問題視されているのも事実です。
例えば、人工甘味料の一種であるサッカリンを摂取すると、体が異物だと判断し、肝臓や腎臓が体の外へ排出しようと過剰にはたらきます。結果、臓器にかかる負担が大きく、日本では食品衛生法によって食品への使用量が制限されているのです。
また、希少糖とサッカリン等の人工甘味料では、生産方法はもちろん分子構造も全く異なります。
希少糖含有シロップに含まれるD-プシコースやD-アロースは、人工の合成甘味料ではなく、糖を異性化して作られたものです。D-プシコースは、ケチャップやウスターソース、メープルシロップなどの食品にも含まれており、人体への危険性はないと考えられています。

希少糖を含む市販製品

希少糖を含んだ製品は一般にも市販されていますが、もっとも有名なのは、経済産業省の「地域イノベーション創出研究開発事業」によって開発された希少糖含有シロップ(レアシュガースウィート)で、全国的に販売されています。
希少糖含有シロップの主成分は、ブドウ糖や果糖ですが、D-プシコースやD-アロースなどの希少糖が約15%含まれています。甘味は砂糖の70%程で、スッキリした清涼感とコクが特徴です。その他に、希少糖含有シロップを使用した乳酸菌飲料も販売されています。

希少糖を3割程度含む製品には、肥満を防ぐ効果が期待されていますが、市販製品の希少糖含有率は15%程度であるため、肥満を防ぐ効果については、十分なデータは現在のところありません。それでも、「甘いのに低カロリー」という点は魅力的ですね。

希少糖の現状課題

甘味料にもかかわらず、肥満を防ぐ作用があり、ダイエットにも役立つ希少糖ですが、今のところあまり世間に広まっているとは言えません。どうしてなのでしょうか?
その理由のひとつとして、名前の通り希少であるため、値段が高いことがあります。グラムあたりにすると砂糖の10倍以上の値段です。
最近の研究で大量生産が可能にはなったものの、まだまだ生産が追い付いていない状況です。今以上に流通されるようになるには、さらなる大量生産の方法を見つけ出し、コスト面の問題を解決することが必要です。
値段が高いという問題点はあるものの、希少糖は肥満を防ぐ効果を期待できる夢のような甘味料です。今後、さらに世間に認知されるようになれば、希少糖を生活に取り入れる人が増え、健康にも役立てられていくでしょう。

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