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健康コラム

世界糖尿病デーが伝える食事からの健康づくり・予防

暑さも落ち着き、おいしいものがたくさん食べられる秋がやってきました。食欲の秋だからと、ついつい食べすぎていたりしませんか?今回は、乱れた食生活が原因で発症する糖尿病の予防法について、お伝えしていきます。

 

世界糖尿病デーを知っていますか?

毎年11月14日は世界糖尿病デーです。2015年現在、世界には糖尿病の患者が4億人以上います。国際糖尿病連合によると、糖尿病人口は年々猛烈な勢いで増え続けていて、このまま予防をしないでいると、2040年までに6億人を突破すると言われています。世界糖尿病デーは、糖尿病が世界中で増え続けている事実を知ってもらうために設定され、国連も公式に認めています。

 

糖尿病患者の食事は、生活習慣病の予防と健康維持につながる

糖尿病の治療は食事療法が基本です。食生活をはじめとする生活習慣を改善することで、網膜症や腎症など、糖尿病合併症を予防することができます。
まだ糖尿病になっていない人でも、食生活を改善することで、糖尿病はもちろん、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病や肥満を予防できます。
つまり、食生活を見直すことは、誰にとっても健康を守ることにつながるのです。

 

糖尿病予防の食事で気をつけるべき4つのこと

糖尿病の食事療法は、基本的に適切な量でカロリーを抑えます。必要以上にカロリーを摂取すれば、体にとって害になります。
限られた摂取カロリー量の中で、炭水化物やタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂ることが大切です。日本糖尿病学会が発行している食品交換表を参考にして、適切な量を摂りましょう。
さらに詳しく、注意するポイントを4つ紹介します。

糖質を上手に制限する

糖尿病患者にとって、血糖値が上がる原因となる糖質の取りすぎには注意が必要です。糖質という言葉から菓子類や清涼飲料水など、甘いものを連想する人も多いです。菓子類や清涼飲料水を控えるのはもちろんですが、実際のところ、糖質はほとんどの食品に含まれているので、注意が必要です。
特に気をつけたいのは、さつまいもやかぼちゃなど、熱を加えるとほくほくする野菜です。野菜だからたくさん食べても大丈夫と思っている人が多いので、気をつけましょう。
私たちが毎日口にしている白米やパン、パスタなどの炭水化物(糖質)の摂りすぎも注意が必要です。うどんにご飯、パスタにパン、といった偏った炭水化物の組み合わせでの食事は控えましょう。

脂質は必要な栄養

脂質は、私たちの皮脂や細胞膜、血液、ホルモンなどをつくるのに欠かせない成分です。また、皮下脂肪に含まれる脂肪は、内臓を衝撃から守ったり、冬に体温を保ったりと、大切な役割を果たしています。
そして、食事がとれなくてもしばらく生きていられるのは、脂質がエネルギー源として活用されているからなのです。
脂質には、体に良い効果がある脂質と、悪い影響を与える脂質があります。
脂質の代表は、グリセリンと脂肪酸で構成される「中性脂肪」。食品に多く含まれている中性脂肪の中でも、動物油を代表とする飽和脂肪酸が多く含まれる中性脂肪は、血液中の中性脂肪やコレステロールを増やす働きがあり、身体に悪い影響を与えます。一方、魚油や植物油を代表とする不飽和脂肪酸を多く含まれる中性脂肪は、血糖値、血圧、血中コレステロールを低下させる作用があり、身体にとって良い効果があります。さらに、不飽和脂肪酸の一種である「多価不飽和脂肪酸」の一部は、体内でつくることのできない必須脂肪酸なので、食事で摂取しなければなりません。良い脂質といっても、摂りすぎには注意が必要です。糖質は1グラムあたり4キロカロリーなのですが、脂質は1グラムあたり9キロカロリーとさらに高いので、注意が必要です。

糖尿病でも減塩が必要な理由

日本では、減塩が高血圧の治療に欠かせないことはよく知られています。けれども、糖尿病の治療でも減塩が欠かせないことは、あまり知られていません。実際の食事療法では、必要なカロリーでバランスが良く、塩を控えた味付けの食事が心がけられています。理由は、糖尿病を発症した人の2人に1人は高血圧症と言われるほど血圧が高い傾向があるためです。血圧が高いことで、糖尿病の合併症の進行を早めるという弊害が生まれてきます。
濃い味のおかずはごはんが進み、糖尿病の大敵である糖質の摂りすぎにつながりかねません。市販のお惣菜を選ぶときはもちろん、家で料理するときは、塩分に注意が必要です。

血糖値の急な上昇は食べる順番で防ぐ

ふだん何気なく口に運んでいる食事も、食べる順番によって、血糖値の上がり方が変わってきます。
食事のときは、まず味噌汁やスープ、サラダから食べます。次に、肉や魚などの主菜、最後に主食を食べます。この順番で食べることで、同じカロリーの食事でも、血糖値の上り方をゆるやかにすることができます。

 

糖尿病をはじめ、食生活が原因の生活習慣病にかかる人は、年々増えています。その反面、体重を気にしてダイエットに励み、栄養不足になっている人も多いのです。健康でいるために、正しい食事の取り方を知っておくことが欠かせなくなっています。

 

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