糖尿病と血管障害
-第1回 糖尿病と心臓疾患
心臓ドックで、早期発見を
とにかく糖尿病の患者さんは、心臓病に注意が必要です。
糖尿病の方は、そうでない方よりも痛みを感じにくいことが多く、心臓病の重要なサインである痛みを感じることが少なくなっています。ですから、早期に病変を見つけることができる心臓ドックは大変有用です。
心臓ドックは多くの施設で行われていますが、一般的な人間ドックの中でも特に心臓に焦点を当てた検査項目があり、頸動脈エコー、心エコー、動脈硬化検査(ABI)、負荷心電図検査などを組みあわせて行います。
最先端のドック施設ではCTやMRIで冠状動脈を直接調べることができるようになり、さらに病変の早期発見につながっています。
最先端のMRIでは、造影剤を使わず放射線被爆もなしで冠状動脈を調べることができます。当院でもこの最新のMRIを最近導入して、多くの患者さんに好評を得ています。
糖尿病は、初期のうちは痛みなどの自覚症状がないために「血糖値が高いくらい」と油断されがちですが、もしも心臓病を合併してしまったら命を落としかねません。こうした合併症の怖さを知って、早期発見のためにも医療機関の受診や血糖コントロールを心がけていただければと思います。
著者プロフィール:馬渕 浩輔(医師/医学博士)
医療法人社団裕健会 神田クリニック院長、日本医科大学循環器内科非常勤講師。
1994年日本医科大学医学部卒業。医療法人社団裕健会 神田クリニックにて外来診療にあたる一方、日本医科大学循環器内科にて非常勤講師として後進の育成に努める。専門分野は循環器内科。
日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医