Come On! 糖尿病教室
-第6回 心筋梗塞・狭心症のリスク
痛くない心筋梗塞?(無痛性心筋梗塞):Cさん(63歳・自営業)の場合
Cさんは63歳、2型糖尿病で、運動不足から体重が増加しHbA1cは7%前後を推移していました。最近手足の感覚が鈍り、時にしびれがあるとのことで、近医から当院へ紹介された患者さんです。
外来受診で、医師から心電図検査と自律神経の検査であるR-R間隔検査をするように言われ、心電図室に来られました。
CDEJ: Cさん、おはようございます。今日は心電図検査ですね、上半身裸になるかシャツをめくって胸を出してください。
Cさん: おはようございます。靴下も脱ぎましょうか?
CDEJ: ありがとうございます。では少しずらして足首が出るようにしてください。
Cさん: いつもクリニックで看護師さんが心電図とってくれるんで慣れっこですよ。
CDEJ:では心電図をとりますね。体の力を抜いて楽にしていてください。
心電図検査では、胸部誘導のV1からV4に異常が出現し、心筋梗塞を疑う波形を呈していました。
CDEJ: Cさん、最近胸が痛くなったり、肩や背中が痛いことはなかったですか?
Cさん: いや、全然大丈夫ですけど……。
CDEJ: そうですか、では外来の先生に連絡して心電図を見てもらいますが、看護師に車椅子で迎えに来てもらいますので、このまま楽にしていてくださいね。血圧だけ測りますね。
Cさんは一旦外来に戻り、採血検査にいくつかの検査追加となりました。
血液検査ではAST、LDH、CKが異常高値を示し、心電図検査と心エコー検査などの総合診断の結果、急性心筋梗塞であることがわかりました。
そのまま緊急入院し、心臓カテーテル検査をすることになり、その結果、心臓に栄養を運ぶ3本の冠動脈のうち、前下行枝という血管が詰まっていることがわかりました。いわゆる急性心筋梗塞です。
すぐに処置が行われ、詰まった血管を風船で広げて再び血管がつまらないようにステントと呼ばれる血管の補強材を詰まって広げた血管部分に留置しました。その後、Cさんは3週間入院し無事に退院されました。