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Come On! 糖尿病教室

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-第7回 脳血管障害のリスク

左目のかすみを訴えた:Dさん(69歳・男性)の場合

Dさんは、近くのクリニックで診てもらって高血圧と2型糖尿病と診断されていましたが、最近体重が落ちて食欲もなくなってきたため、胃カメラを受けたところ早期胃ガンが見つかりました。この早期胃ガン摘出術のために、当院に紹介されて入院しました。
数ヵ月前から続く左目のかすみが気になっていたDさんは、術前に検査を希望して眼科受診しました。眼底カメラ検査をしたところ左眼底に軟性白斑多発が認められたため、さらに眼動脈ドプラ検査による精査をすすめられました。

CDEJ: Dさん、おはようございます。今日はエコーを使って眼動脈を調べてみますね。左目はいつぐらいから見えにくいですか?

Dさん: 2~3ヵ月前から急に見えにくくなってきたんですよ。

CDEJ: 反対側の右目は大丈夫ですか?

Dさん: 右目は良く見えてます。ところで、眼動脈検査って痛いの?僕は痛いのきらいなんで。

CDEJ: 目をつぶった状態で、瞼の上から検査しますので、痛みはありません。大丈夫ですよ。

Dさん: (ホッ)じゃあ、よろしくお願いします。

CDEJ: この検査では、視神経を通る網膜の動静脈と、首の頸動脈から眼球へ栄養を運ぶ2種類の血管を検査します。網膜の血管はきれいに流れていますね。では、次に眼動脈を見てみますね。
(心の中で) 『あれ?左側の眼動脈が逆流しているぞ?』

CDEJ: Dさん、今まで首の血管、頸動脈のエコー検査って受けられたことはありますか?

Dさん: いやあ、ないね。

CDEJ: ちょっと気になる所見があるので、主治医の先生と相談してきますね。ちょっとこのままお待ちくださいね。

CDEJ: Dさん、今、目の動脈を検査したら、左の眼動脈に逆流所見があったんです。主治医の先生に相談したら、このまま頸部エコーも見て欲しいってことなんですが、続けてみてもいいですか?

Dさん: だいぶ悪いの?

CDEJ: この結果だけではまだわからないので、頸部エコーもやってみて、総合的に先生に診断してもらいましょう。
 


[参考]
私たちは、検査中・終了後に患者さんから『どうでした?』と結果を聞かれることが度々あります。
確かに検査終了時や途中で異常所見を発見することもありますが、あくまで診断は医師(糖尿病の場合は専門医)によって行われるものです。患者さんは病状が心配で、すぐに結果を知りたいのは十分承知していますが、結果の説明は通常、検査担当者ではなく主治医(糖尿病専門医)から行われます。


 

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