Come On! 糖尿病教室
-第8回 糖尿病神経障害
血糖値が改善した途端に足のしびれを訴えた:Eさん(61歳・女性)の場合
Eさんは、会社の健診で10年前に糖尿病を指摘されて、病院で2型糖尿病と診断され、さらに高血圧症と脂質異常症も合併していたため、近くの病院に通っていました。近頃、患者仲間と朝の体操とウォーキングを始めてからHbA1cは8%から6%台後半まで改善してきましたが、以前からあった足のしびれが最近急にひどくなり、しびれだけでなく痛みもあるため、精査のため当院へ紹介されてきました。
CDEJ: Eさん、こんにちは。今日は糖尿病の神経の検査をしますね。
Eさん: こんにちは。よろしくお願いします。私ね、お友達に誘われて、朝の体操を始めて、血糖値はずいぶん良くなったねって先生に褒めてもらってたんです。でも、毎日寝る前に、足のしびれや痛みがひどくって、気になって先生に相談したら大きな病院で一度検査してもらったらってここを紹介してもらったんです。それに最近こむら返りもよく起こって、足がつって痛みで飛び起きるんです。
CDEJ: そうだったんですね。運動をがんばっているのに、かえって足のしびれが悪化したのですね。それは心配ですね。どちらがしびれますか?
Eさん: 両足同じくらいかしらねぇ。
CDEJ: 両足ですね。わかりました。では早速検査してみましょう。今日は手と足を使って検査します。この検査はEさんの神経に電気刺激を加えて、電気がきちんと神経を流れてくれているかを見るものです。刺激は電気刺激で、低周波治療器のようなピリっとした感覚があると思います。
Eさん: そんなに痛いんですか?この検査。
CDEJ: そうですねぇ、最初は小さな電流から刺激を始めて行きますが、最後に波型を記録するときだけ、最大刺激を加えて記録するので、ピリっとします。
Eさん: 怖いわぁ。検査なんて初めてだから……。
CDEJ: 痛いときには前もって言いますので、怖くはないですよ、がんばってくださいね。
Eさん: はい、がんばります。
神経伝達検査の結果、Eさんの神経伝達速度には延長(神経が早く伝わっていない)と、振幅低下(波形が小さい)が見られました。