インスリン療法を知ろう!上手に使って血糖コントロールを改善
-第2回 インスリン製剤の打ち方
混合型、中間型または持効型溶解インスリン製剤を主にもちいるパターン
パターンC、パターンD、パターンEでは、主として混合型、中間型または持効型溶解インスリン製剤をもちいます。
パターンC
昼は仕事があってインスリン製剤を打ちづらい場合は、朝食前と夕食前に混合型インスリン製剤を2回打つことによって血糖を抑える方法もあります。
パターンD
(1)朝夕の混合型2回打ちで昼食後の血糖を抑えられない場合には、昼に速効型または超速効型インスリン製剤を追加します。
(2)各食前に速効型を打っていたが、朝食前血糖が高い場合、夕に混合型を打つことにより、朝の高血糖を抑えます。
(3)1種類の混合型を各食前3回打つことにより、空腹時血糖値と食後血糖値を抑えます。
パターンE
頻繁に注射するのが困難な場合や、現在飲んでいる内服薬に上乗せしてインスリン療法を始める場合は、持効型溶解インスリン製剤もしくは中間型インスリン製剤を1日1回追加して開始することもあります。
打ち方の5つのパターンはおわかりいただけたでしょうか。
次回は、使用するインスリン製剤の用量についてご説明し、実際にインスリン療法をもちいた患者さんの例をご紹介します。
著者プロフィール:大武 幸子(医師)
2000年東京女子医科大学医学部卒業。
東京女子医科大学病院糖尿病センター勤務を経て、現在 東京女子医科大学病院糖尿病センター兼東京女子医科大学医学部学務課非常勤講師。2009年より、医療法人 平心会 ToCROMクリニックにて治験担当医師として勤務。
専門分野は糖尿病、日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本医師会認定産業医。