「中鎖脂肪酸」はその名前の通り、炭素の鎖が長鎖脂肪酸に比べて約半分と短く、消化吸収過程が長鎖脂肪酸とは異なります。そのため、中鎖脂肪酸はエネルギーとして利用されやすく、体脂肪になりにくいという特徴があります。

このことから、ダイエットにおすすめの脂質として、注目されるようになったのです。
さらに、糖尿病、アルツハイマーや認知症の予防効果が期待できると、現在さまざまな研究がなされています。

また、飽和脂肪酸が多いため酸化しにくいので保存もしやすく、加熱調理や温かい飲み物に入れるなど用途が幅広いことも人気の要因です。他にも、食べるだけでなくスキンケアオイルとしても利用されています。

体にとって良いことばかりのように思われるココナッツオイルですが、私達日本人にはなじみが薄く、アレルギー反応などの恐れもあります。ですので、食用・外用どちらにしても少量から試してご自身の体に合うかどうかを確認してから使用するようにしてください。
また、中鎖脂肪酸は多量に摂取すると下痢をしやすくなります。一日大さじ２杯程度を目安にすると良いでしょう。

著者プロフィール：大西真由美（管理栄養士）
1999年 栄養専門学校卒業後、管理栄養士資格を取得。病院や老人施設に勤務。食や料理の知識を深めるため飲食業界へ転職。そこで糖質制限食と出会う。現在は子育てをしながらフリーの管理栄養士として活動中。一般社団法人健康栄養支援センター臨床栄養部に所属。