糖質制限食を正しく知ろう!
-第10回 たんぱく質について
「お肉の量=たんぱく質の量」ではありません!
糖質制限食によって糖質を減らす分、相対的に増えるのが脂質とたんぱく質です。今回は、「たんぱく質」についてお話します。
ご存知の方も多いかと思いますが、たんぱく質は私達の体を構成するとても重要な栄養素で、筋肉や血液、髪の毛や爪などの原料となります。
私達が1日にどの位のたんぱく質が必要で、糖質制限を行うとき、どの位の割合に増加するのが望ましいかは第1回でふれていますので、参考にしてください。
実際に糖質制限を行うとき、「何をどれくらい食べると理想的な量を摂取できるのか」が、わからないという声が聞かれます。
ここで、まず押さえておきたいポイントは、「お肉やお豆腐の量がイコールそのままたんぱく質の量ではない」ということです。食べ物は、さまざまな栄養素によって構成されています。同じ食材でも、部位・種類・製法によって含まれる栄養素の量は違ってきます。
例えば、霜降りのお肉と赤みのお肉で同じ分量を比べた場合、脂肪の含有量が少ない赤身のお肉の方が、たんぱく質を多く含んでいます。また、魚も同様です。脂の多いサンマに比べ、マグロやカツオなど赤身の多い魚の方が、たんぱく質は多く含まれています。
お豆腐の場合、絹ごし豆腐よりも水分の少ない木綿豆腐の方が、たんぱく質は多く含まれているわけです。
では具体的に、何にどれくらいのたんぱく質が含まれているのか、見ていきましょう。
私たち栄養士は、文部科学省より発表される「日本食品標準成分表」をもとに栄養計算を行います。成分表には食品100g中の栄養素の量が示されています。その数字だけを見て「多い」「少ない」と判断してしまいがちですが、実際に私達がお店で目にする量や食べる量(1人分として食べやすい量)は、100gとは限りません。そこで、一般的な量におきかえた場合のたんぱく質の量を図にまとめてみました。