糖質制限食を正しく知ろう!
-第8回 今話題のあの脂質(1) トランス脂肪酸
近頃話題のトランス脂肪酸って?
前回、前々回と、糖質制限食によって糖質を減らす分、相対的に増える脂質についてお話してきました。今回と次回では、さらに”近頃話題の脂質”についてお話します。今回取り上げるのは「トランス脂肪酸」です。
トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸の仲間に分類されます。不飽和脂肪酸は、その化学的構造の違いからさらに「シス型」「トランス型」に分類することができます。そのうちの「トランス型脂肪酸」に分類された複数の脂肪酸をまとめて「トランス脂肪酸」と呼んでいるのです。食品に含まれるトランス脂肪酸には、天然に食品中に含まれているものと、加工・精製によりできるものとがあります。
もともと含まれているもの:
天然のトランス脂肪酸を含む食品は、牛肉・羊肉・乳製品などが挙げられます。
加工によりできるもの:
常温で液体の植物油から半固体・または固体の油脂を作り出す加工技術に「水素添加」があります。トランス脂肪酸は水素添加の際に生じると言われています。マーガリン・ファッドスプレッド・ショートニングなどを製造する際に水素添加を行うため、これらの食品にはトランス脂肪酸が含まれています。
精製によりできるもの:
植物油を精製する際の高温処理によって、トランス脂肪酸ができます。サラダ油などにも微量のトランス脂肪酸が含まれています。